中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

24日、王霊さんが所有する漁船と網いけす。(ドローンから、海口=新華社記者/黎多江)

 【新華社海口6月30日】中国海南省臨高県にある「新盈港深海網いけす養殖場」はアジア最大級の規模を誇り、養殖した魚は日本や東南アジア、欧米などに輸出している。隣接する海域は中国最大のシロチョウガイの自然保護区になっており、生息場所を確保するため網いけすを減らす取り組みも進めている。

 シロチョウガイは南中国海に分布する真珠貝で、中国の国家2級保護水生野生動物に指定されている。以前は養殖業者が利益を上げるため網いけすを大幅に増やし、シロチョウガイ保護区の水質を悪化させて生息環境が破壊の危機にさらされていたが、シロチョウガイの保護を優先させるため、2017年から網いけすを徐々に減らしてきた。

中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

24日、網いけすの稚魚に餌を与える王霊さん。(海口=新華社記者/黎多江)

 同県新盈鎮隆安村で漁業を営む王霊(おう・れい)さんによると、地元では養殖の専業合作社(協同組合)を立ち上げ、環境にやさしい餌を使い、海のゴミを減らす努力をした。県の管理も厳しくなり、村民らの環境保護意識も高まっているという。

 王さんが所有する網いけすでは現在、数十万匹の稚魚を養殖しており、年間生産額は600万元(1元=約22円)に上る。王さんは「近い将来、ここに『海洋エコファーム』を建設し、子や孫の世代に残したい」と語った。(記者/陳凱姿、黎多江)

中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

24日、餌に一斉に食らいつく稚魚。(海口=新華社記者/陳凱姿)

中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

24日、船を操縦して網いけす養殖場に向かう王霊さん。(ドローンから、海口=新華社記者/黎多江)

中国海南省の漁業者、シロチョウガイ保護と網いけす養殖を両立

24日、水面のゴミをすくう王霊さん。(海口=新華社記者/陳凱姿)

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