スマホの悩み、役場へどうぞ 操作方法からアプリ設定まで…どんな相談も全窓口で受け付けへ デジタル格差解消へ町ぐるみで対策

町民からのスマホに関する相談を受ける町職員=25日、大崎町の野方地区農村環境改善センター

 鹿児島県大崎町はデジタル推進の一環として、町民向けに「スマートフォンの困りごと相談会」を24~26日、初めて開いた。担当と若手職員が町内6カ所を巡って使い方を助言し、約10人が参加した。今後は役場の全窓口を「スマホの困りごと相談窓口」として対応する。

 町によると、社会のデジタル化が急速に進み、ワクチン接種や病院の予約、キャッシュレス決済、災害発生時の対応などスマホ所有前提の施策が増加。一方でスマホを持たない高齢者を中心にデジタル格差が広がる恐れがあるとして、実態調査と対策に乗り出した。

 町は4月、全町民にスマホ利用に関してアンケートを実施。回収率は35.59%(6月1日現在)で、困りごととして「必要ない」「使い方が分からない」と回答があった。「操作を教えてくれる窓口がほしい」「LINEの登録方法が分からない」との意見も寄せられたため、職員が出向き相談に応じる会を企画した。

 25日、野方地区農村環境改善センターでは職員3人が対応。近くの立花ツル子さん(79)は、必要のないアプリの通知を止める方法を聞きに訪れた。「時間を気にせず教えてもらえて解決できた。知識が増えて若くなった気分。スマホを使えると自信が湧く」と満足げに話した。

 町は今後、9月頃からマイナポータルや地図アプリなど、より専門的な講習会を携帯会社を招いて開く。

 町総務課デジタル推進係の室薗和隆係長は「使い方が分からない人の悩みを解決することで、デジタル化の基盤が確立できる。スマホで困ったことがあれば、気軽に役場を訪れてほしい」と話した。

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