映画『赤と白とロイヤルブルー』で同性愛者の役を演じたニコラス・ガリツェンが、役を引き受けた当時の心境を赤裸々に語りました。
映画 『アイデア・オブ・ユー~大人の愛が叶うまで~』で、主演アン・ハサウェイの相手役を務めたことで、人気俳優の仲間入りを果たしたガリツェン。
そんなガリツェンは、過去に出演した5作品で、ゲイ男性やバイセクシュアル男性のキャラクターを演じています。
今年5月に公開されたGQのインタビューでは、非当事者として同性愛者の役に挑むとき、「罪悪感を感じることがあった」と心境を明かしています。
「(LGBTQ当事者俳優の)居場所を奪ってしまっているのではないかという不安を感じることもありました。おそらく罪悪感に近い感情でした」
「同時に、(今まで演じてきた)キャラクターの魅力は、セクシュアリティだけではないと思っています」
ハフポストのインタビュー では、過去の出演作品への思いを次のように話しています。
「私の周りには、LGBTQコミュニティの友人がたくさんいます。そんななかで、世の中に彼らが共感できるようなストーリーが少ないことに問題意識を感じていました」
「ゲイの友人が、映画『 赤と白とロイヤル・ブルー 』を観て、『あんなにキュンキュンできて、あったかい作品が世の中に出るのって本当に本当に大切なことだよ』って言ってくれたんです」
「すごくうれしかったですね」
昨今ハリウッドを中心に、性的マイノリティの役は当事者が演じるべき、という議論が勃発しています。
多様性や包括性、機会の均等化などの観点から賛成する意見もあれば、本来「自分以外の存在」を演じる俳優業の意義や芸術性を考えると、必ずしもそうでなくてよいとする人もいます。
この問題は、映画やドラマのキャスティングを考えるうえで、避けて通れないポイントになっています。
LGBTQ当事者の俳優のあいだでも、さまざまな議論が繰り広げられています。
映画『トワイライト』シリーズの俳優クリステン・スチュワートは、バラエティ 誌のインタビューに対し、「グレーな議論だ」と語りました。
クリステンは2017年にカミングアウトしています。
「経験した人が語るべき物語を、私は演じたいとは思わない」
「でも同じ経験をした人しかその物語を語れないというのならば、私はストレートの人の物語を演じることはできなくなります。かなりグレーな議論だと思う」
この記事は英語 から翻訳・編集しました。編集:清水和華子