中国製造業PMI、6月は前月から横ばい 50を割り込む

中国製造業PMI、6月は前月から横ばい 50を割り込む

山東省日照市の金属製品メーカー、山東華源索具の自動包装生産ラインで働く従業員。(3月30日撮影、済南=新華社記者/郭緒雷)

 【新華社北京6月30日】中国国家統計局サービス業調査センターと中国物流購買連合会が30日発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5で、前月から横ばいだった。生産状況からみて、中国経済は全体的に拡大基調にあるが、回復・上向き傾向の維持に向けた基礎を固める必要があるという。

 同センターの趙慶河(ちょう・けいか)高級統計師は、6月の製造業PMIの特徴として次の5点を挙げた。

 ①企業の生産が引き続き拡大した。生産指数は前月比0.2ポイント低下の50.6で、好不況の節目となる50を上回り、拡大基調を維持した。業種別では、金属製品、鉄道・船舶・航空・宇宙設備などの生産指数がそろって55.0を上回り、関連分野の生産は高めの伸びを維持した。一方、繊維製品、石油・石炭・その他燃料加工などは50を割り込み、企業の生産はいくらか減速した。

 ②新規受注指数はほぼ横ばいだった。新規受注指数は0.1ポイント低下の49.5となり、製造業の市場需要は依然として不足した。業種別では、製紙・印刷、文化・教育・スポーツ・美術・娯楽用品、鉄道・船舶・航空・宇宙設備、コンピューター通信・電子機器などの新規受注指数はそろって53.0を上回り、関連産業の市場の需要は拡大した。一方、化学原料・化学製品、非金属鉱物製品などの同指数は低水準にとどまり、企業の有効な需要の不足が当面の課題であることを示した。

 ③価格指数がいくらか低下した。最近の一部のコモディティー(商品)価格の低下や市場の需要不足などの影響を受け、主要原材料仕入れ価格指数は5.2ポイント低下の51.7、出荷価格指数は2.5ポイント低下の47.9となった。業種別では、石油・石炭・その他燃料加工、鉄系金属製錬・圧延加工などの主要原材料仕入れ価格指数と出荷価格指数は下げ幅が比較的大きかった。

 ④新たな推進エネルギーが伸びを維持した。ハイテク製造業のPMIは1.6ポイント上昇の52.3と、8カ月連続で拡大圏を維持した。設備製造業は0.3ポイント上昇の51.0で、4カ月連続で拡大圏となり、中国製造業は構造転換と高度化が進み、「新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)」が引き続き発展した。一方で、高エネルギー消費産業のPMIは47.4、消費財産業は49.5と、前月に続き50以下にとどまった。

 ⑤企業の先行き見通しはおおむね安定した。生産経営活動予想指数は54.4と、前月より0.1ポイント上昇し、製造業企業の市場見通しは安定した。業種別では、農産物・食品加工、金属製品、鉄道・船舶・航空・宇宙設備、電気機械・器具などの同指数は58.0以上の高水準で推移し、企業が産業の見通しに強い自信を持っていることが分かった。

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