永谷園ホールディングス<2899>、MBOで株式非公開化へ

永谷園ホールディングスは、MBO(経営陣による買収)を実施し、株式を非公開化すると発表した。投資ファンドの丸の内キャピタル(東京都千代田区)が出資する「エムキャップ十三号ファンド」傘下の買収目的会社が公開買付者となり、全株式の取得を目指す。買付代金は最大約477億円で、TOB成立後の自己株式取得額も含めると総額で約485億円。

永谷園HDの永谷栄一郎会長、永谷泰次郎社長は国内市場が成熟期を迎えた中で、さらなる海外展開や大規模な設備投資、M&Aの必要性を経営課題と認識。三菱商事傘下の丸の内キャピタルと議論を進める中で、コンシューマー領域への投資経験を豊富に持つ丸の内キャピタルの経営ノウハウの活用が必要と判断したという。短期的な収益に左右されず、中長期的な成長を図るために、株式の非公開化の道を選んだ。永谷栄一郎会長、永谷泰次郎社長、永谷祐一郎副社長は取引成立後も継続して同社の経営にあたる。

買付価格は1株につき3100円で、TOB公表前営業日の終値2223円に対して39.45%のプレミアムを加えた。買付予定数は1538万9482株、買付予定数の下限は所有割合54.74%にあたる956万4700株。応募が下限に満たない場合はすべての買い付けを行わない。買付期間は6月4日~7月16日の30営業日。決済の開始日は7月23日。公開買付代理人は野村証券。

TOB成立後は、永谷栄一郎会長をはじめとする創業家一族が公開買付者のエムキャップ十二号に出資を予定。株主をエムキャップ十二号と三菱商事のみとするために、2024年9月下旬の予定で株式併合を実施する。以後、三菱商事から一部の自己株式取得を経て、エムキャップ十二号が存続会社となり、永谷園HDを吸収する。存続会社への出資比率は、エムキャップ十三号ファンドが55.5%、創業家一族が34.5%、三菱商事が10%となる予定。

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