高岡・二上に災害ごみ置き場 公費解体へ7月中旬開設

仮置き場が設置される県有地=高岡市二上

  ●家屋170棟分受け入れ

 高岡市は、1日で発生から半年となる能登半島地震の復旧・復興を推進するため、公費解体で生じたがれきなどの災害ごみを受け入れる仮置き場を同市二上に整備する方針を固めた。富山県下水道公社が運営する二上浄化センター内の県有地約1万8千平方メートルを県から無償で借り受けて今月中旬に設ける。7月の公費解体開始に向けて万全の態勢を整え、早期の復興につなげる。

 仮置き場は高岡市衛生公社が管理、運営する。廃棄物の収容量は家屋約170棟分、約1万650トン(1日あたりの搬入量は約85トン)を想定する。ごみの受け入れは原則として平日のみとするが、発生状況に応じて柔軟に対応する。

 ごみは、市が「大規模災害における建築物等の解体撤去の実施に関する協定」を締結している県構造物解体協会加盟の業者が分別、搬入し、アスベストなど特別な処理が必要な場合は専門業者に依頼する。ごみは一定期間保管後、県内の処分場に搬出する。

 開設についてはすでに市が地元自治会などに周知しておおむね了解を得ており、今後、要望があれば住民説明会も開く。

 市の公費解体は、半壊以上の被害を受けた建物を所有者に代わり市が取り壊す仕組み。市によると、27日現在、申請受理件数は97件となっている。被災者の負担軽減に向け、市は申請期限を6月末から9月末まで延長し、対象を蔵や倉庫、空き家などの非住家にも拡大することを決め、6月補正予算で費用を確保した。

 今後、申請はさらに増える見通しで、市は「十分なスペースを確保し、被災者が困らないよう、万全の態勢で臨みたい」(環境政策課)としている。

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