阪神・大山“ビックリ弾”5号ソロ 風に乗って右翼最前列へ「いい結果になってくれて良かった」

 4回、先制ソロを放つ大山(撮影・西岡正)

 「ヤクルト6-5阪神」(30日、神宮球場)

 ショッキングな敗戦を喫した一戦で存在感が際立った。「負けたので、はい」。阪神・大山は試合後に多くを語ることはなかったが、勝負強さを発揮し完全復調を印象づけた。

 0-0の四回1死。5球目に左翼ポール際へ大ファウルを放った直後だ。サイスニードが投じた外角低め148キロを今度は逆方向へはじき返した。打球は追い風に乗って右翼席の最前列へ着弾。5試合ぶりの5号先制ソロ。本塁へかえった後、大山も少し首をかしげるほどの“ビックリ弾”だった。

 「とにかく先に点が欲しかったので、いい結果になってくれて良かったです。これ以降の打席もまた次の1点が取れるようにチームに貢献できればと思います」

 試合中、広報に寄せたコメントの通り、貪欲に追加点を奪いにいく。3-1の七回2死一、二塁から左腕・山本のスライダーを中前へ運び、4点目をたたき出した。1軍再昇格後、調子は右肩上がりだ。これで4試合連続安打。一時1割台まで落ち込んだ打率も・215まで戻ってきた。

 昨季は19本塁打で4年ぶりに本塁打は20本に届かなかった。「もちろんたくさん打ちたい。打てるに越したことはない」。本塁打のこだわりを捨てたわけではないが、本拠地は広い甲子園。チームの勝利を第一に考えるからこそ、状況に応じた打撃を心がける。その姿勢は今季も変わらない。チームがもがき苦しむ中、主砲のバットで流れを変えたい。

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