【巨人】首位・広島に勝ち越しも…審判団〝勘違い〟で残ったモヤモヤ「5分も試合を止められたら…」

投手交代をめぐり、2度のハプニングが生じた

勝利の喜びの裏で――。巨人が30日の広島戦(東京ドーム)に3―2で競り勝ち、2勝1敗でカード勝ち越しに成功。首位・広島に3・5ゲーム差の3位へ再浮上した。一方で、この日の試合では阿部慎之助監督(45)が審判団による思わぬ「勘違い」の連発に苦しめられる〝事件〟が勃発。これで負けていれば大遺恨は必至で、結果的に勝ったとはいえ、チーム内の一部ではモヤモヤが残ってしまっている。

試合は初回に打者8人の猛攻で3点を先制すると、先発・菅野が6回途中1失点とゲームメーク。この日一軍復帰した中川が7回に1点を失ったものの、9回は同じくこの日が復帰登板となった大勢が二死満塁のピンチを何とかしのいで逃げ切った。

そんな熱戦の中、立て続けに珍事が発生した。まずは6回の守備だ。二死二、三塁で打席に矢野を迎えたところで、巨人ベンチから杉内投手チーフコーチがマウンドの高梨の元へ向かい会話を始めると、広島側は代打・二俣をコール。これに阿部監督が高梨から船迫への交代を球審に告げたものの認められず、試合が5分以上も中断…。最終的には審判団が非を認め「申し訳ありません。投手交代はできないと勘違いしていたんですが、投手コーチはベンチに帰っていないため、投手交代できます」と場内アナウンスで謝罪する事態となった。

さらに7回にも巨人の投手交代時に審判側が判断を誤り、またも一時交代を認めないハプニング。すぐさま勘違いを認めて交代が行われたが、スタンドからは「しっかりしろ!」「何やってんだよ!」と怒号とヤジが飛び交った。

阿部監督は「審判の方も人間ですから。たまには間違いもありますよ。だけど間違いを認めてね、しっかり『すみません』ということも試合中におっしゃっていただいたので」と大人の対応を見せたが、チーム内からは厳しい声も噴出した。

あるチーム関係者は「結果的に勝ったから良かったものの、5分も試合を止められたら流れだって変わってしまう。両チームにとって後味が悪くなってしまったよ」と不満顔で話せば、別のチーム関係者からは「一番やってはいけないミスで、メジャーだったら即責任問題になり得るケース。明日以降しっかりと事後処理をしないと、信用問題に関わってくる」と糾弾する声も出ている。

当然、人為的なミスは起こり得るものだが、日々の結果で今後の人生を左右されかねないのがプロの世界。それだけに勝利の喜びと同時に、シビアな声も避けられなかったようだ。

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