7月はスイーツ巡りで北陸支援!「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2024」

今年も7月1日(月)から1か月間、「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2024」が開催されます。今年の共通テーマは「サヴァラン」で、過去最高の全国301店が参加。中には令和6年能登半島地震による被災地支援のため、奥能登の塩、石川の日本酒やワインや梅酒、金沢ゆずなど、北陸地方の食材を積極的に使用した”北陸支援のサヴァラン”を用意する店も。シェフたちの温かい想いがこもった商品をご紹介。

石川県七尾市出身の辻口博啓シェフが能登のロゼワインを使用

柑橘類やトロピカルなフルーツを使った夏らしいサヴァランが続々

サヴァランとは「美味礼讃」の著者で、フランス人美食家として知られているブリヤ=サヴァランに敬意を表して名付けられたフランスの伝統的な洋菓子のことです。シロップに浸されてしっとりした食感が魅力で、形状はリング状や円形が多く、フルーツやホイップクリーム、ナッツなどがトッピングされるのが一般的です。

全国の参加店301店が共通テーマ「サヴァラン」をもとに、期間限定の商品を考案。その十人十色のバリエーションが毎年話題になり、それぞれがお目当てのサヴァランを購入して夏のスイーツ巡りをする一大イベントなのです。

「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」のサヴァラン

旬のパイナップルやマンゴー、そしてレモンなどの柑橘類を使った夏らしい爽やかなサヴァランもあれば、玄米茶や黒豆、太白胡麻油など和食材を使ったサヴァランもあり、目移りすることは必至です。「どれにしようか、本当に迷う〜!」と嬉しい悲鳴が飛び交う中、やはり注目したいのは、スイーツを購入するごとに誰かのためになるようなスイーツ巡り。北陸支援の商品はいかがでしょ?

例えば、自らも石川県内の店舗にて地震の被害を受けているのが、スイーツ界の巨匠、辻口博啓シェフ。石川県七尾市出身の辻口氏は、「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」(石川県金沢市出羽町2-1 石川県立美術館内)にて、能登のロゼワインを使用した「サヴァラン ルージュ」 837円を販売しています。

爽やかなオレンジやグリオット、洋酒を染み込ませたブリオッシュ生地に酸味の効いたサワークリームや能登のロゼワインを使ったジュレを重ねて仕上げています。石川県内や近隣県の住民の方はもちろん、夏休みや出張などで7月中に北陸に行かれる方は、ぜひ金沢市で石川県立美術館を観光がてら、同店に立ち寄ってみましょう。

能登白ワインや石川の柚子を使って夏らしく爽やかに!

「patisserie fuji」のサヴァラン

岩手県の「patisserie fuji」(パティスリー フジ、岩手県一関市東山町長坂字町327)では、マスカットの甘い香りが特長の能登ワイン(白)をベースに、少量のレモンを加えたシロップを生地にたっぷり染み込ませた「サヴァランノト」695円を販売中。陸前高田のマツダファームの完熟紅ほっぺのコンフィチュールをアクセントに使い、クレームパティシエールとシャンティ、ライチで軽くフルーティに仕上げています。

岩手県は東日本大震災で被災地となったことで知られていますが、能登からは離れた土地のスイーツ店も、北陸を支援しています。

「Patisserie Le Cadeau」のサヴァラン

石川県能美市産の国造ゆずを使うことで、サヴァランに爽やかな酸味をプラスしたのは「Patisserie Le Cadeau」(パティスリー ル カドゥー、群馬県伊勢崎市宮子町3409-6)の「サヴァラン・アグリューム」630円。

フランス産発酵バターを使用したブリオッシュに、ブラッドオレンジ果汁やラム酒、コアントローのシロップをたっぷりと含ませて、仕上げに石川県能美市産の国造ゆずをプラス。中央にはタヒチ産ヴァニラを使用したヴァニラクリームとシャンティー、フレッシュオレンジをのせて、初夏のティータイムにピッタリの作品に仕上げました。

金沢の本みりん、奥能登の塩、石川の緑茶でスイーツ作り

「chez Y」のサヴァラン

金沢の老舗酒蔵(福光屋)の純米本みりんを、サヴァランの生地に漬け込んだ珍しい和風サヴァラン「杏と味醂のサヴァラン」600円を販売するのは、「chez Y」(シェ イグレック、東京都狛江市東和泉3-11-15 アトリエ多摩川101)。

オーナーシェフの広幡有紀さんが、北陸の食材に注目が集まってほしいと、石川県の希少なもち米を使って作られた本みりんを厳選使用。純米吟醸の酒粕とクリームチーズのクリームと杏をトッピングした、独自の味わいを楽しめます。

「Patisserie Ker」のサヴァラン

奥能登の塩、金沢のジン、石川の緑茶などを使用しているは、「Patisserie Ker」(パティスリーケール、大阪府八尾市中田5-64-3)の「Baba “MARU” au gin」920円。金沢21世紀美術館といえば、球体のパビリオン”まる”。そこからインスピレーションを得たフォルムが目を惹くBaba“MARU”au gin。

焼き上げた生地にたっぷりと染み込ませたシロップには「金沢のアランビックジン”HACHIBAN”」を使用し、その生地には「奥能登の塩」をほんのりと効かせています。シロップとシャンティにひそませた「石川県打越産の緑茶”やぶきた”」の和の風味がアクセントに。ジンと見事にマッチする宮崎県産マンゴーと沖縄県産パッションフルーツの爽やかな味わいが、暑い夏にぴったりな清涼感のあるケーキです。

石川の日本酒「観音下」や、加賀梅酒をサヴァランに染み込ませて

「フランス菓子 エリティエ」のサヴァラン

石川県小松市、農口尚彦研究所の日本酒、観音下(かながそ)を浸み込ませたサヴァラン「サヴァラン・KANAGASO」734円を販売するのは「フランス菓子 エリティエ」(東京都文京区白山2-29-6)。

純米大吟醸の酒粕をヨーグルトでのばしたペースト、生姜とレモンのコンフィ キャラメルシャンティにフルール・ド・セルを合わせています。

「patisserie boulangerie ENTIER」のサヴァラン

一方、天然酵母を使って低温長時間発酵させたキメの細かいババ生地に、加賀梅酒を染み込ませた「梅のブリアサヴァラン」700円を提供しているのが、「patisserie boulangerie ENTIER」(パティスリー ブーランジェリー アンティエ、東京都目黒区原町1-6-12 プランドール1F)。

ブリアサヴァランチーズとクリームチーズを合わせたムースと、東京産の梅のコンポートを合わせています。発酵をテーマに梅酒と乳製品のコク、フルーツの酸味の相性を楽しめます。

石川県産の甘栗かぼちゃ、奥能登の味噌、金沢ゆずで独自の味わい

「ニコラ&ハーブ」のサヴァラン

石川県産の甘栗かぼちゃと奥能登味噌を使った「甘栗かぼちゃと味噌のサバラン」プティガトー650円を提供しているのは「ニコラ&ハーブ」(神奈川県三浦郡葉山町一色1723-1)。

石川県産の甘栗かぼちゃを白餡と生クリームで合わせ、その下にはフランスの塩キャラメル(キャラメルサレ)のように、塩の代わりに塩味がしっかりした石川県の奥能登味噌をチョコレートとキャラメルクリームに入れています。味噌とチョコとは、驚きの組み合わせです!

ブリオッシュ生地を焼いてから、葉山の家庭菜園のローズマリー、スパイス、パインアップル、オレンジジュース、ラム酒でアンビベ(染みこませること)しました。石川県、葉山、フランスハーブのパーフェクトコンビは今だけの貴重な味わい。

「Stella Prince」のサヴァラン

金沢ゆずを使用しているのは、「Stella Prince」(ステラプリンス、愛知県名古屋市中村区太閤通7-15)の「柚子レモンのサヴァラン」583円。暑い日にもさっぱり食べられる柚子レモンのサヴァランです。

金沢ゆずの皮も使用したコンフィと、この時期らしい爽やかなレモンを合わせています。サヴァランには柚子のお酒も少量使用して、風味豊かに仕上げています。

大阪のポアール4店舗で提供するサヴァラン

最後は4店舗で共通メニュー「日本酒サヴァラン~ISHIKAWA~」1,296円を提供している大阪のポアール。提供店は以下。

「POIRE 帝塚山本店」大阪府大阪市阿倍野区帝塚山1-6-16

「グレーヌ・ド・ポアール 玉出」大阪市西成区南津守7-13-10

「ポアール・ド・ジュネス 堂島」大阪市北区堂島1-2-13

「ポアール・アントレ あべのハルカス」大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43

石川県小松市の日本酒「観音下」(農口尚彦研究所)をしっかり効かせた大人の味わいのサヴァラン。アプリコットともち米に、甘酒クリームを使用し、日本を感じるスイーツに仕上げています。

「すべては”お客様のおいしい笑顔のために”。私たちは”想い出の名脇役”として、こころに甘くひっかかる、本物志向のスイーツをお届けします! 」とグランシェフ 辻井良樹氏が心を込めて考案しました。

「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2024」は7月31日(水)まで。公式ホームページで最寄りの店を探して、さっそく出かけてみましょう。テイクアウトのみなのか、イートインも可能なのかも店ごとに異なるので要チェック。サヴァランを堪能しながら、ぜひパティシエたちの北陸支援への温かい気持ちにも触れてみてください。

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