水族館に持ち込まれた「謎の白くて大きい生物」…名前分からずSNSで「ご教示ください!」 正体は?

鳥取県鳥取市にある水族館「とっとり賀露かにっこ館」がXに「謎の生物」を投稿し話題に…。名前が分からないとして情報を求めていましたが、その正体が判明しました。そして専門家に聞くと、その生物の驚きの生態も分かりました。

「ご教示ください!!本日、謎の大きい生き物が持ち込まれました。現在あちらこちらに尋ねて回って調査しているところなのですが、ネットの力もお借りしたいです!」

6月17日、「とっとり賀露かにっこ館」がXに投稿したコメントと画像。
そこには妖怪「のっぺらぼう」を思わせる謎の白い生物が…。

かにっこ館によると17日朝に、近くの鳥取県漁協から、水深およそ70メートルの海で獲れたとして、3体が持ち込まれたということです。

しかし、海の生き物に詳しいスタッフも見たことがなく、いくら調べても名前が分かりません。
そこで、Xを使い広く情報提供を求めました。

するとこれが大バズり!
Xで次々と挙げられたのが…

「たけのこの里」
「エイリアンの卵」
「さといも」

名前とは関係なく、もはや大喜利状態に…。

しかしついに有力な情報が寄せられました。

「ホヤの一種ですかねぇ」
「ボウズボヤっぽいですね」

どうやらホヤの仲間か?
Xには、そっくりな画像も投稿されていました。

名前が分かったのか、かにっこ館を訪ねてみると…

安松裕一 記者
「あちらに展示してあるのが、あの謎の生物ですね。ボウズボヤと書かれています。それにしても実物は大きいですね」

「ボウズボヤ」という名前とともに、あの謎の生物が展示されていました。

とっとり賀露かにっこ館 西村雅子さん
「専門家の方がそのように言われたので、それで間違いないと判断しました」

SNSの力を借り無事名前が分かった謎の生物。かにっこ館では、多くの人に見てもらおうと6月19日から展示を始めました。
来館者も興味津々です。

来館者
「これなんだろうっていう。不思議」
「餅みたいだなと思います」

ちなみにこのボウズボヤ、どんな生き物なんでしょうか?

Xにも投稿していた、ホヤを専門で研究している広島修道大学の長谷川尚弘助教に話を聞きました。

広島修道大学人間環境学部 長谷川尚弘 助教
「群体のホヤなんですね。写真ではツルっとしているように見えているが、ここには本来、ちっちゃい長さが4センチぐらいのホヤがいっぱいびっしりくっついて埋まっているかたちになります」

ホヤの一種の「ボウズボヤ」は水深50メートルくらいに生息し、本来、個虫と呼ばれる小さなホヤが表面に無数に生えています。
しかし、環境の変化などがあるとそれらが全てはがれ、このようなツルツルの状態になるとのこと。

そして、長谷川助教が見せてくれたのが個虫が生えた状態の標本。

広島修道大学人間環境学部 長谷川尚弘 助教
「ホヤ類は、エサは植物プランクトンなどの浮遊性のものを食べています。(今後)ふさふさ(個虫が)出てくることはありえると思いまして、しばらく様子を見ないと分からない。もちろんそのままダメになってしまう場合もあるとは思います」

長谷川助教によると、常に新鮮な海水に入れ替えて飼育すれば、かにっこ館のボウズボヤにも、今後、個虫が生えてくるかもしれないということです。

ちなみに、毒はありませんが食べられないとのこと。

海からの珍客、みなさんも間近で見てみてはいかがでしょうか?

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