栄冠は萩原さん(大阪)に輝く、福島市古関裕而作曲コンクール

1位に輝き、トロフィーを手にする萩原さん

 福島市出身の作曲家古関裕而の顕彰と次世代の作曲家育成を目的とした「第2回福島市古関裕而作曲コンクール」の本選会は30日、同市のふくしん夢の音楽堂で開かれた。演奏審査に進んだ全8曲の中から、大阪府の作曲家萩原友輔さん(29)の「恋初める茉莉花(こいそまつりか)」が1位に選ばれた。

 市と実行委員会の主催、福島民友新聞社などの特別協賛。今回は65人から69作品の応募があり、池辺晋一郎審査委員長をはじめとする作曲家5人による譜面審査を経て本選出場の8作品を選考した。本選では飯森範親氏が指揮、「シエナ・ウインド・オーケストラ」が演奏し、全8曲を紹介した。

 池辺審査委員長は「8人それぞれの苦労を感じられた中で、自分の音楽にできていた」と講評した。萩原さんには賞金などのほか、小野広司福島民友新聞社常務から特別協賛の目録が手渡された。萩原さんの作品は、希望する中学、高校にデータで配布される予定。

 2位は松尾賢志郎さんの「明日の神話」、3位は越岡卓哉さんの「コンサートマーチ『約束の街へ』」、奨励賞に相当するエール賞は根岸淳也さんの「碧(あおい)」が選ばれた。市によると、本選会で演奏された8曲は今後、動画投稿サイト「ユーチューブ」の市の公式チャンネルで配信される予定という。第3回の本選会は2026年1月に開かれる。

 「旋律の美しさを意識」

 「旋律の美しさを意識した。タイトル通り(演奏で)花が咲いたように命を吹き込んでもらえた」。1位に輝いた萩原友輔さんは喜びを語った。

 苦悩や困難の先に訪れる希望をテーマに作曲。「同じ旋律を繰り返す中で少しずつ使う楽器を変え、同じメロディーでも新たな音色が生まれるようこだわった。マンネリしない曲の構成にすることが苦労した点」と制作を振り返った。

 池辺晋一郎審査委員長は「叙情的な部分に目を向けていて、吹奏楽の曲では新鮮。多彩な音を持つ木管楽器の使い方が美しかった」と評価した。

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