梅雨本番を迎え、霧が発生しやすい時季となった。県内を走る高速道路は全国で最も霧による通行障害が多い区間とされる。日本自動車連盟(JAF)大分支部は「霧の中での運転は見通しが悪く、事故の危険性が高まる。早めにライトを点灯し、速度を落として事故を防いでほしい」と呼びかけている。
西日本高速道路は、県中部の東九州自動車道と大分自動車道、日出バイパスを濃霧多発区間と位置付けている。対象は日出ジャンクション(JCT)から由布岳スマートインターチェンジ、大分インターチェンジ(IC)、大分農業文化公園IC、日出ICまでの一部。
区間内には、強い緑色の光で進行路を示す視線誘導灯や発光ダイオードの標識、防霧ネットなどを設置。霧が濃い場合は通行止めや速度制限といった規制をかける。
大分地方気象台によると、同区間では別府湾上の湿った空気が、東風で鶴見岳方面に運ばれ、山沿いに上昇して霧となることが多い。梅雨時は湿度が高く、高速道が通る比較的標高の低い場所でも発生しやすいという。
国土交通省が全国の高速道路を対象に、2016年度にまとめた霧による通行止め時間のランキングでは、ワースト30位のうち20位が県内区間だった。最も長かったのは別府IC―大分農業文化公園ICと速見IC―日出ICの区間。年間計265.4時間、通行できなかった。
見通しが悪い霧中では、周囲に存在を知らせるため、ライトの点灯が重要になる。JAF大分支部は「ライトをハイビームにすると霧に光が反射して見にくくなるため、ロービームで走る方が視認性は高まる」と説明する。
後続車からの追突を防ぐためには、テールランプだけでなく、より明るいブレーキランプの活用を推奨。「ブレーキペダルを数回、軽く踏む『ポンピングブレーキ』で後ろの車に注意を促す方法も有効」という。
西日本高速道路はスマートフォンのアプリ「アイハイウェイ」で別府湾サービスエリア周辺のライブ映像を配信している。同社は「出かける前に、状況を把握し、安全運転につなげてほしい」と促している。