世界のM&A、第2四半期は低調 下期に回復期待

Anirban Sen Anousha Sakoui

[ニューヨーク/ロンドン 28日 ロイター] - 世界の合併・買収(M&A)活動は第2・四半期に伸び悩んだが、多くのディールメーカーは今年下期に取引が回復すると予想している。

ディールロジックのデータによると、M&A成立件数は前年同期比21%減の7949件。総額では3.7%増の7691億ドルだった。100億ドル以上の案件は8件から6件に減少した。

高水準の金利、厳しい規制環境、バリュエーションが割高となっている株式市場の状況などがM&Aの重しになっている。

しかし、投資銀行関係者やM&A関連の弁護士らは、M&A市場の健全性を巡る懸念を一蹴し、今年後半の案件は堅調だと指摘する。

法律事務所フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガーの米企業・M&A部門共同責任者、ダミアン・ズーベック氏は「企業経営者の信頼感は非常に高く、地政学的リスクは多いものの経済見通しはかなり良好だ」と述べた。

プライベートエクイティ(PE)企業が主導するバイアウトは主に非公開化案件の増加を背景に、上期に41%増の2860億ドルと急増しており、ディールメーカーは近いうちに大規模なレバレッジドバイアウトが復活するとの期待を寄せている。

JPモルガン・チェースの北米M&A部門共同責任者、ジェイ・ホフマン氏は「PE活動の本格的な活発化が今年下期の原動力になる可能性がある」と指摘した。

米国のM&A総額は3%減の3244億ドル。欧州は一部の大型案件が寄与し、27%増だった。アジア太平洋地域は18%減少した。

第2・四半期の大型案件上位は米石油大手コノコ・フィリップスによるマラソン・オイル買収(225億ドル)、シルバーレイクのエンデバー・グループ・ホールディングス非公開化(130億ドル)、米日用品・医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のショックウェーブ・メディカル買収(130億ドル)と米国の案件が占めた。

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