イングランドが劇的EURO8強進出も…代表OB苦言「95分間は絶望的パフォーマンス」

延長戦の末にスロバキアを2-1撃破【写真:ロイター】

EURO16強で延長戦の末にスロバキアを2-1撃破

欧州選手権(EURO)は現地時間6月30日に決勝トーナメント1回戦が行われ、イングランドは延長戦の末にスロバキアを2-1で下した。英公共放送「BBC」でコメンテーターを務める元イングランド代表アラン・シアラー氏は、「これを受け入れなければならない」と評している。

イングランドは前半25分に相手FWイバン・シュランツに先制ゴールを許すと、そのビハインドを跳ね返せないまま時間が流れた。このまま敗退が決まるかというアディショナルタイム5分、ロングスローからゴール前でMFジュード・ベリンガムがバイシクルシュートを決め劇的な同点弾。そして、延長戦の開始直後にFWハリー・ケインが決勝点を奪い突破を決めた。

この戦いぶりをシアラー氏は「最終的には突破がすべてだが、スロバキア戦の95分間は絶望的なパフォーマンスだった。アイスランドに敗れたEURO2016の再来かと思いながら見ていたが、あの恥ずべき敗戦の時と同じように酷い出来だった。どんな試合でも、0-1で負けている時は決して希望を捨てないものだが、あの見事なシュートが決まるまでは、どこにも同点に追いつけそうな気配はまったくなかった。純粋に安堵した」と評した。

さらにシアラー氏は「ケインのゴールから試合終了のホイッスルが鳴るまで、またもや厳しい戦いが続いた。誰も、あのように深く下がる姿を見たくはないだろうが、それがガレス・サウスゲート監督の望むプレーなのだと受け入れるしかない。誰もが彼に攻撃的なサッカーを要求しているが、彼のイングランド代表は過去の大会でもこのようなプレーをしてきた。彼は今後も変わるつもりがないだろう」と、サウスゲート監督率いるイングランドが攻撃的なタレントを生かせない試合を続けることに、半ば諦めの言葉を送っている。

今大会についてシアラー氏は「4試合、400分近くピッチに立ったが、セルビアとの開幕戦の立ち上がり30分以外、いいプレーはできなかった。その4試合すべてに言えるのは、私たちがいかに劣っていたかということ。だが常に『それでも』があったということであり、今の大きな『それでも』は、私たちが勝ってベスト8に進出したということ」と、低調な内容な中で結果だけがついてきていると評している。

イングランドは次戦で、前回王者イタリアを寄せ付けない戦いを見せて今大会の好調ぶりを見せているスイスと対戦する。ガレス・サウスゲート監督が率いる前回準優勝チームは、周囲を納得させる試合を展開しながら初優勝に到達することができるのだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)

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