米連邦最高裁、政府の規制権限制限 40年続いた「法理」無効化

John Kruzel Andrew Chung

[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は28日、規制を巡る法律が曖昧な場合に政府機関が解釈できるとした判例を無効とする判断を下した。1984年から続いてきた「シェブロン法理」と呼ばれるこのルールが覆されたことはバイデン政権に打撃となる。

最高裁は、ニューイングランド沿岸におけるニシン乱獲を監視する官民プログラムに異議を唱えた漁業会社の訴えを認め、下級審の判断を覆した。保守派判事6人が法理無効を支持し、リベラル派3人が反対した。

最高裁のロバーツ長官は判決で「裁判所は政府機関がその法的権限の範囲内で行動したかどうかを判断する際、独自の判断を行使する必要がある」と説明した。

シェブロン法理に長く反対してきた保守派やビジネス界からは今回の判決を歓迎する声が上がったが、民主党や環境保護団体など規制を支持するグループは、安全な食品や医薬品、安定した金融市場や公正な労働条件の確保などで、専門知識を駆使する政府機関を弱体化させると懸念した。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官は「わが国を後戻りさせる、非常に問題のある新たな判決だ」と批判した。

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