オーストラリア、エネルギー輸出収入は今後2年で減少の見通し

[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリアの産業科学資源省は1日公表した四半期エネルギー報告書で、同国のエネルギー輸出収入が向こう2年間にわたり減少するとの見通しを示した。コモディティー価格がロシアのウクライナ侵攻で跳ね上がった2022年から長期的な水準に戻るためという。

報告書によると、同国のエネルギー輸出収入は2022/23年度は過去最高の4660億豪ドルだったが、23/24年度は10%減の4170億豪ドル(2768億米ドル)となる見通し。

さらに24/25年度は3800億豪ドル、25/26年度は3560億豪ドルと減少傾向が続く見込みだ。

キング資源相は声明で「世界的な供給が着実に改善するのに伴い、コモディティー価格は現在、正常な水準に戻りつつある」と指摘。報告書によりオーストラリアの資源に対する需要は底堅いことが示されたと付け加えた。

報告書は、世界経済は制約的な金融政策に圧迫されて依然として比較的軟調に推移しているが、経済指標からは今年上半期に世界経済が緩やかに改善した可能性がうかがえると指摘。こうした状況がこの先、コモディティー価格を下支えするはずだと強調した。

一方、オーストラリア最大の輸出品である鉄鉱石の輸出収入は23/24年度が1380億豪ドル、24/25年度が1140億豪ドル、25/26年度が1020億豪ドルの見通し。

石炭の輸出収入は23/24年度が900億豪ドル、25/26年度には700億豪ドルに減少すると見込まれている。液化天然ガス(LNG)の輸出収入は23/24年度が690億豪ドル、25/26年度が590億豪ドルと予想されている。

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