衆院議長や大臣歴任の清瀬一郎 20年以上空き家だった生家 創作かき氷中心、夏季限定カフェに

古民家カフェに生まれ変わった清瀬一郎の生家=姫路市夢前町杉之内

 衆議院議長や文部大臣を歴任した政治家清瀬一郎(1884~1967年)の生家が、古民家カフェに生まれ変わった。和菓子店「甘音屋(あまねや)」(本店・兵庫県姫路市広畑区蒲田5)が、同市夢前町杉之内にある江戸期の古民家を改装し、「amaneya casual(アマネヤ・カジュアル)」としてオープンした。メニューはかき氷中心で、9月末までの夏季限定で営業する。(成 将希)

 清瀬は、旧制姫路中出身。京都帝国大を卒業後、弁護士を経て1920年に政界入りした。終戦後の東京裁判では、東条英機の主任弁護人を務めたほか、衆院議長として日米安全保障条約を強行採決したことでも知られる。

 山あいの集落にある清瀬の生家は20年以上空き家になっていたが、地元の依頼を受け、甘音屋が約2年半かけてリノベーションした。柱や梁(はり)はそのまま残しながら畳はフローリングに張り替え、明るく、開放的な内装に生まれ変わった。

 森雅史社長(53)は「カジュアルという店名の通り、気軽に立ち寄れる店にしたかった」と思いを語る。

 店の看板メニューは創作かき氷で、「みかん氷」(1320円)はパウダー状の氷の上にクリームとミカンの果肉を添え、食べ進めるごとに味が変わる。

 ほかにも、みたらし団子をのせた「みたらし氷」や、糸状の氷の上にイチゴをトッピングした氷菓など、工夫を凝らした一品が楽しめる。コーヒーやソフトドリンクなど、通常のカフェメニューも提供する。

 飲食スペースの隣には、大広間として使われた和室があり、古い食器や掛け軸、着物などが飾られ、かつての雰囲気を楽しみながら食事を楽しめる。

 蔵や小さな庭園なども見学でき、森社長は「古民家の雰囲気を楽しみながら、涼んでほしい」と話す。

 正午~午後5時に営業。火曜定休。10台分の駐車場がある。甘音屋本店TEL079.239.1220

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