飯舘みらい発電所完成 被災市町村の木材活用 7月中旬にも運転へ

7月中旬にも営業運転を始める飯舘みらい発電所

 木質バイオマス発電施設「飯舘みらい発電所」の竣工(しゅんこう)式は30日、福島県飯舘村蕨平(わらびだいら)の現地で行われた。7月中旬にも営業運転を始める。村をはじめ東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による被災市町村の木材を活用し、福島県の森林再生や脱炭素などを推進する。

 発電所は東京電力ホールディングス、熊谷組、神鋼環境ソリューション、東京パワーテクノロジーが出資する飯舘バイオパートナーズが運営する。

 間伐材や樹皮などを年間約9.5万トンを使う。発電量は一般家庭約1万7千世帯の年間消費量に相当する約5300万キロワット時に上る。木質チップに含まれる放射性物質の飛散防止策として、灰を集めるための布フィルターを2基設置した。同社によると、木質バイオマス発電所で布フィルターを二重に設けているのは全国初だという。

 式には関係者約120人が臨んだ。飯舘バイオパートナーズの梶山雅生社長が「福島の復興に貢献していきたい」とあいさつした。杉岡誠村長らが祝辞を述べた。梶山社長らはテープカットを行い、発電所の安全な運転を願った。

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