“傘を持たずに楽しめる渋谷”実現へ 民間企業と渋谷区が連携

梅雨の時期も“傘を持たずに楽しめる渋谷”の実現を目指し、民間企業と東京・渋谷区がタッグを組みました。どのような取り組みなのか取材しました。

このプロジェクトは傘のシェアリングサービス「アイカサ」と渋谷周辺の再開発を進める東急不動産、そして渋谷区が連携して進められています。「アイカサ」の運営会社は「急なゲリラ豪雨も夏にはかなり増え、天気も変わりやすいが、手ぶらで街をお楽しみいただきたい。1人当たりの街に滞在する時間は絶対上がると思う」「コンビニの数を超えよう、アイカサの方が近くにあるという状態を目指している」と話し、渋谷駅の半径600メートルに7月末までに100カ所、今後150カ所のレンタル傘立ての設置を目指しています。

レンタル傘は専用アプリを使って1日140円で利用することができ、返却場所はどの傘立てでもよいという仕組みです。そしてこの街ぐるみでのレンタル傘サービスはビニール傘のごみ問題解消にもつなげる狙いです。

ビニール傘は気軽に購入することができるため、雨がやんだら不要となり、街中に捨ててしまう人が多いのが現状です。アイカサによりますと全国で年間約1億2000万~1億3000万本の傘が廃棄されていて、そのうち8000万本がビニール傘だということです。そうした背景もあり、この傘のレンタルサービスは2030年までに「使い捨て傘ゼロ」を目指す取り組みの一環としても進められています。

渋谷区の長谷部区長は「『おもてなし』という言葉かもしれないが、急な雨にも対応できることは街としてもいいことだと思う。レンタル傘を使うことがごみを減らすことにつながる。ぜひこの街を訪れた皆さんが急な雨で傘を持ち合わせていない時にはこのシステムをうまく使ってもらえたら」と話しました。

また、梅雨が明けると本格化する猛暑に対しても日傘として使える傘もあり、雨のみならず有効活用してほしいということです。突然の雨にもうだるような暑さにも、そしてビニール傘のごみ問題解消にも一役買う"傘のいらない街”へ渋谷が変わっていきます。

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