1~2時間程度の外出、エアコンは「消す」と「つけっぱ」どちらが節約になる? 専門家が解説

(写真:zon / PIXTA)

「物価高騰対策として実施されていた電気料金、ガス料金への補助金が7月請求分でいったん終了し、とくに電気代は、燃料価格の高騰で過去最高となった2022年の秋から冬にかけての水準に近づいています。例年以上に厳しい暑さが予想されている今年の夏を、光熱費が最も高い水準で迎えるのです」

と語るのが節約アドバイザーの丸山晴美さん。

6月21日、岸田文雄首相は、9月請求分(8月使用分)から3カ月だけ補助金を復活させると表明したが、補助金のない7月と8月の請求分は大幅に値上がりする見込みだ。

光熱費の高騰でもっとも気がかりなのがエアコンの使い方だろう。

「エアコンの使用を控えると熱中症のリスクも高まり、命を危険にさらすことになります。夏場の電力消費割合はエアコンが34.2%とダントツですが、上手に付き合うことで節電効果が高められます。

たとえば、エアコンをこまめにスイッチのオンとオフと繰り返すと“エアコンの心臓”である室外機(圧縮機)の負荷が高まり電力を多く消費します。1~2時間の外出なら設定温度を上げれば、つけっぱなしでもOKです」(丸山さん、以下同)

こまめにエアコンのスイッチを切らないだけでも1シーズン(3カ月)では4,113円もの節約に。また室温が28度になるようにエアコンの設定温度を上げておくこともポイント。設定温度を26度から28度にすることでひと夏、3,000円以上もおトクに。

■帰宅したら冷やしタオルで汗を拭いてからエアコンを

「エアコンだけに頼らずに、扇風機やサーキュレーターを併用し冷気を循環させたり、熱気が入ってくる窓には遮光性の高いカーテンをつけたりして、エアコンの設定温度を上げても暑さを感じさせない工夫も必要です。

エアコンは一定温度で運転するのがもっとも省エネ効果は高くなります。家族が外から帰ってきたときに設定温度を下げがちですが、帰宅後は冷やしタオルで汗を拭いたりシャワーを浴びたりして、設定温度をなるべく下げない仕組みを作りましょう」

夏場の「節ガス」のための対策もしっかりしておきたいところだ。

「夏は、シャワーで済ますことが多くなりますが、シャワーの設定温度を2度下げるだけでも夏場だけでも729円の節約に。給湯パネルを操作するだけなのですぐに始められます。またシャワーの時間を1分短縮する、シャワーヘッドを節水タイプにする、で1シーズンでそれぞれ2,394円も節約になります」

夏でも湯船につかる人は、給湯パネルで湯量の設定を下げたり、追いだき機能を使えばガスも水も節約できるという。

「わが家では麦茶を作るときは調理タイマーを使って無駄な沸騰を防いでいます。また洗濯物もまとめて洗えば、洗濯回数が半分になり省エネ効果もアップ。冷蔵庫には物を詰め込まないで省エネモードに設定。家族それぞれにマイ水筒があれば冷蔵庫の開閉も少なくなり電気代が節約できます」

節電&節ガス効果で3カ月で約18,000円の差が。光熱費と気温が高騰する夏を乗り切ろう!

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