幸福ランキング1位の街の未来は 若い世代が都会から移住 高齢者、買い物不安も 埼玉・鳩山町長選あす告示

鳩山町長選、7月2日告示 現新3氏出馬へ

 任期満了に伴う埼玉県の鳩山町長選は7月2日、告示される。前回は無投票。今回は5選を目指す現職の小峰孝雄氏(66)、新人で町議の大賀広史氏(52)、元衆院議員秘書の小川知也氏(28)が、いずれも無所属での立候補を表明。少子高齢化を背景に人口減少や災害対策、地域の活性化などが課題に挙げられる。

 同町は1955年、亀井と今宿村が合併し「鳩山村」が誕生。74年に住宅団地「鳩山ニュータウン」の入居が始まり人口が増加、82年に町制施行となった。

 その後、95年の1万8011人をピークに町の人口は減少に転じ、6月1日現在は1万2891人。高齢化率は県内で2番目に高い46.89%で、児童生徒数も減少、現在は601人となっている。

 一方で、「街の幸福度ランキング2021」(大東建託)で全国1位となったり、「健康長寿のまち」(県65歳健康寿命1位、介護保険料県内1安いなど)としても知られる。

 町全体の人口の50.7%(6539人)を占める「鳩山ニュータウン」の大半が“第二のふるさと”を求めて都会から移り住んだ町民。鳩山ニュータウン町内会連合の高橋恵美子代表は「最近は、家をリフォームしたり、建て替えたりして、新しく住む若い世代が多くなっている」と話す。

 ニュータウンでは、夫婦や1人暮らしの世帯が多く、空き家も多いとされている。高齢世帯が増加する中で、運転免許返納後の買い物や病院通いなどに必要な交通手段に対する不安の声も上がっている。

 小峰氏は、子育て支援の充実や子育て世代の移住促進、健康づくり事業の継続、企業誘致などの政策を強調。

 大賀氏は移住推進・産業振興、子育て・女性活躍、高齢者福祉、健康長寿、公共交通施策などを訴える。

 小川氏は公共交通サービス、医療・介護・子育て・教育が豊かな町、第1次産業の活性化などを掲げている。

 投票は7月7日、町内7カ所で行われ、午後9時から役場で即日開票。有権者数は6月3日現在、1万1679人(男5758人、女5921人)。

© 株式会社埼玉新聞社