絶滅危惧種の野鳥「オオセッカ」 オスは昨年と同程度370羽 仏沼(青森県三沢市)

仏沼にいたオオセッカ=30日午前6時半ごろ、三沢市

 NPO法人「おおせっからんど」(事務局・青森県八戸市)は30日、三沢市のラムサール条約登録湿地「仏沼」で絶滅危惧種の野鳥オオセッカの生息状況を調査した。オスの個体数が370羽で、3年ぶりに増加に転じた昨年の397羽と同程度だったという。ただ、2011年以降続く個体数の減少傾向が止まったとは判断できない-として、繁殖に悪影響がないよう、地区の乾燥化対策を進めている。

 同NPOのメンバーや日本野鳥の会県支部、県内外の大学生ら約60人が、特別保護地区222ヘクタールに周辺の牧草地や小川原湖畔を加えた約740ヘクタールを手分けして調べた。同NPO理事・主任研究員の髙橋雅雄さん(41)は「(特別保護地区北側で16年から進む)乾燥化が深刻。今年から水路を土のうでせき止め、地区から水が流れ出る量を減らす取り組みをしている」と話した。

 オオセッカは全長約13~14センチ。日本や中国の限られた湿原にしか生息しない。仏沼周辺では高さ1メートル以上のヨシ原に生息し、5月から8月にかけて繁殖する。オスは繁殖期に「ビジョビジョ」などと鳴く。メスは鳴かない。オスの鳴き声を頼りに調査している。

 今回の調査で、絶滅の恐れがある環境省または県のレッドリストに掲載されている鳥類として、オオセッカ以外に6種類が見つかった。

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