青森県、土砂災害の恐れある場所を2646カ所追加 ネットで公開、警戒区域指定進める

 青森県は、県内で土砂災害が発生する恐れのある場所を新たに2646カ所で確認したと1日付で公表した。県内には現在、4054カ所の土砂災害警戒区域があるが、2646カ所について今後詳細な調査を行い、警戒区域の指定を進める。全国各地で警戒区域外での災害が多発していることを受けた国の指針変更に基づく対応で、市町村の災害対策の強化や住民の迅速な避難につなげる。

 新たな危険箇所のうち、崖崩れの恐れがある急傾斜地は1772カ所、土石流が発生する恐れがある場所は874カ所。

 市町村別では十和田市の237カ所(崖崩れ197カ所、土石流40カ所)が最も多く、三戸町225カ所(崖崩れ215カ所、土石流10カ所)、むつ市221カ所(崖崩れ120カ所、土石流101カ所)と続いた。県河川砂防課によると、山間部の住宅が多い地域で危険性が確認されたという。

 一方、藤崎、田舎館、板柳、鶴田の4町村は面積の大半が平地で、危険箇所が抽出されなかった。

 国が2020年度に土砂災害防止対策基本指針を変更したことを受け、県は同年度から調査を開始した。航空機によるレーザー測量を基に高精度の3次元(3D)地図を作成し、高さ5メートル以上で30度以上の傾斜がある場所を抽出。現地調査などで近くに建物がある場所を選び出した。

 県は今回判明した2646カ所について、現地の地形や建物の有無を詳しく調べ、要件を満たした場合、土砂災害警戒区域に指定する。警戒区域に指定されると、各市町村は防災計画やハザードマップに新たな危険箇所を反映させることが求められる。

 危険箇所の具体的な場所はインターネット上の専用サイト「青森県土砂災害警戒区域等マップ」で1日から閲覧できる。県県土整備部の古市秀徳部長は「災害リスクを地図にして分かりやすくまとめた。県民は迅速な避難に役立て、各市町村は災害時の緊急対応に活用してほしい」と述べた。

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