青森市で11回目「レインボーパレード」 性的少数者ら220人、差別ない社会願い声上げる

青森市中心部を歩く「青森レインボーパレード」の参加者

 LGBTIQなど性的少数者らが生きやすい社会の実現を訴える「青森レインボーパレード」が30日、青森市中心部で行われた。11回目の開催となった今年は、県内外から過去最多の220人が集結。当事者やサポーターは、それぞれの「性」が否定されず、差別のない社会を願い、声を上げながら歩みを進めた。

 パレードは、同市出身の人権活動家でレズビアンを公表していた故・宇佐美翔子さんが中心となり、2014年にスタート。今年は、誰もがありのまま生きられる社会になってほしい-との思いを込めて「違くて、いっきゃ」というテーマを掲げた。

 この日はあいにくの天気だったが、虹色の旗やメッセージを書いたプラカードを掲げた参加者は、青森駅前公園から県庁周辺、新町通りを約1時間かけて練り歩いた。沿道で旗を振ってパレードを激励したり、車内から手を振る市民の姿もあった。

 パレード実行委員会共同代表の岡田実穂さん(39)は「応援してくれる人の姿を見て、こんなに街の理解が進んでいるんだと実感した。みんな違うのが当たり前だし、その違いをどう尊重していけるかが何よりも大事」と話す。行政に対しては「『あなたたちの愛を応援します』みたいな制度ではなく、困り事を具体的に助ける制度を固めてほしい」と訴えた。

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