壁紙で後悔した人のエピソードも掲載
今年は梅雨入りが遅れ、7月に入っても雨の日や曇り空が続いています。
雨の多い時期になると、ジメジメした湿気からご自宅の「壁紙・クロス」が剥がれてきたり、ニオイが気になってきたりして、張り替えを検討したい人が増えてきます。
国は良質な住宅ストックの形成や子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ・耐震等に関する性能向上リフォーム、子育て世帯向けの改修工事に対してその工事費の一部を補助しています。
2024年5月2日時点の国の補助制度には、以下のようなものがあります。
- 住宅省エネ2024キャンペーン
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 介護保険法にもとづく住宅改修費の支給
壁紙の張り替えにおいては地方公共団体が実施する「住宅リフォーム支援制度」を利用して、補助金や助成金が受けられる場合があります。
自分が住んでいる自治体に壁紙の張り替えで利用できる補助金や助成金がないかどうかを「住宅リフォーム支援制度検索サイト」で一度チェックしてみると良いでしょう。
そこで今回の記事では、住宅のクロス・壁紙の張り替えの費用相場や施工料金の「落とし穴」や、壁紙・クロスの張り替え工事で後悔したポイントなどを紹介したいと思います。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
住宅の壁紙・クロスの張り替えの費用相場
住宅の壁紙やクロスを張り替えたいときに、気になるのはその費用相場でしょう。
住宅の壁紙やクロスの張り替え費用の内訳は、
- 材料費と既存の壁紙を剥がすための手間及び既存の壁紙の廃棄処分費
- 新しい壁紙を張る前に下地を整えるための費用
- 新しい壁紙を張るための費用
から構成されます。
また現場の状況によってはこれらとは別に、施工に伴い家具、家電などの荷物を移動するための費用がかかることがあります。
費用の大部分を占めるのが壁紙の材料費ですが、壁紙にはいくつかのグレードがあります。
平均的な単価は量産品で1㎡あたり700~800円程度で、機能壁紙と呼ばれるハイグレードタイプのもので1㎡あたり1000~1500円程度が相場になります。
施工料金の「落とし穴」に注意
業者の見積書などで施工料金をチェックする際には、施工会社ごとに異なる点があるので注意が必要になります。
主な注意点は以下のようになります。
例1:壁紙の張り替え費用以外に「諸経費」として別途請求される
建築工事には直接工事に関わる費用のほかに、施工会社の事務所の賃料や事務用品代、通信費、車両のガソリン代など、工事を行うために費用がかかるので、その費用は諸経費として計上されています。
壁紙の張り替え工事の場合も、諸経費として業者の見積書に記載されているのが一般的です。
もし見積書に記載がなかった場合は、念のため業者に確認しておくと安心です。
例2:気付いたらハイグレードタイプの壁紙になっていた
壁紙には前述したように一般的に数多く普及している量産品と、さまざまな機能がついた色柄豊富なハイグレードタイプがあります。
量産品と呼ばれるスタンダードなもののほか、調湿や消臭、汚れ防止、表面強化、抗菌、防水などの機能やデザイン性を備えたハイグレードなもの、その他ではレーヨン、絹、麻などで作られる布製の壁紙(織物クロス)があります。
それぞれ価格が異なるので、選択する際には注意が必要です。
例3:メートル単価表記だったので割安と勘違いしてしまった
壁紙の単価をチェックする際には、表記されている単位に注意しなければいけません。
壁紙の単価には「㎡単価」と「m単価」があり、業者によって見積もり書の表記方法が異なることがあります。
一般的に壁紙はロール状になっていて、その幅は90~92cmになっています。
そのためm表記の場合には、1mの壁紙で施工できる面積は約0.9㎡となります。
すなわち「メートル単価=0.9㎡あたりの単価」です。
したがってm(メートル)単価で表記されていると割安と勘違いしやすくなるので、複数の業者の見積書を比較する場合には注意が必要です。
次章では、壁紙やクロスを張り替えた際に経験した「後悔」の体験談を紹介します。
住宅の壁紙・クロス張り替え工事で後悔したポイント3選
次に実際に住宅のクロス・壁紙の張り替えを行った方の体験談から、後悔したポイントを紹介します。
後悔1:壁紙代をケチったら明らかに安っぽくなってしまった
ひとくちに壁紙といっても、デザインや機能によって価格が異なるのは前述した通りです。
できるだけ安く仕上げようとして必要以上に安価な壁紙を選んでしまうと、部屋全体が安っぽく見えてしまうので注意が必要です。
後悔2:壁紙の材質次第では「湿気」ですぐ剥がれてしまう
壁紙は材質によって、湿気が多いと伸び、少ないと縮みます。
湿気による伸縮を何度も繰り返すことで次第に壁紙が下地から剥がれて、めくれてしまうようになります。
また湿気はカビが繁殖する原因にもなるので、日頃からこまめに換気や除湿を行なって湿気対策を行うことが大切です。
壁紙の早期の「剥がれ」であれば自分で補修することも可能なので、気付いたら早めに補修するようにしましょう。
後悔3:真っ白の壁紙にしたら汚れが目立つ
部屋が明るくて広く見えるように真っ白な壁紙を選ぶと、汚れた手で触った時に付着した汚れが目立ちやすくなるデメリットがあります。
また、白は光をよく反射するので、日中には眩しすぎると感じることも。
リラックスしたいのに眩しくて落ち着かないといったことにもなりかねないので、注意が必要です。
まとめにかえて
壁紙を張り替えることで部屋の雰囲気は大きく変わります。
壁紙の張り替えにはそれほど高額な費用はかからないので、最も手軽に行うことができるリフォームのひとつといえるでしょう。
一方で壁紙の選択を誤ってしまうと、「なんだか落ち着かない部屋になってしまった」ということにもなりかねません。
また築年数が古い建物の場合には、下地の凹凸が目立ってしまうことがあります。
その場合には下地の凹凸が目立ちにくい柄や厚めの壁紙を選ぶことで、違和感のない部屋に仕上げることができます。
必要に応じてプロのアドバイスを聞きながら、自分の好みや予算にあった壁紙を選んで素敵な部屋づくりを目指してください。
参考資料
- 国土交通省「住宅リフォームの支援制度」
- 一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」