日本での販売開始!MAJの産業用ドローンCN01とMK01を紹介

by 新井千佳子

2021年に設立されたベトナムのスタートアップ企業MAJは、自社製品となる産業用ドローン「CN01」と「MK01」を展示した。同社はベトナム国防省の製造ラインセンスを有し、研究、設計、製造、修理まで自社で一貫して行う技術力、製造能力を強みとしている企業だ。このたび、栗田マーケティング・アンド・マネジメントを日本戦略パートナーとしたことで、グローバル市場の展開を目指す運びとなり、Japan Drone初出展となった。

MAJの産業用ドローン、技術力とコストパフォーマンスで注目

ブースに展示されていた自社開発・設計回路基板。写真:MAJの回路基板

同社の強みは開発から実用化まで自社で一貫して対応できることだという。ブースにも自社開発・設計回路基板として、MSボード、ESCボード、RTKボード、FCボードが展示されていた。また、コントローラーソフトウェアの「MAJ FLY」も自社開発とのこと。これにより、ユーザーのニーズにあわせてパーソナライズされたドローンを提供できるという。

もちろんパッケージ製品も撮影用ドローン、輸送・配送用ドローン、固定翼、室内ドローンなど数多くラインナップされている。その中で今回展示されたのが、産業用ドローンCN01とMK01の2機種だ。

CN01の外形寸法は818mm×818mm×430mm。最大飛行時間は47分で最大離陸重量は6kg。IP45の防水・防塵性能を備えている。機体に搭載されているモジュールはRGB&赤外線カメラの「MCA-I06」。写真:展示された「CN01」
CN01のコントローラー。写真:展示されたコントローラー
CN01に搭載可能なモジュールのRGBカメラ「MAJ CAMERA」。写真:RGBカメラ「MAJ CAMERA」
CN01に搭載可能なモジュール「LiDAR SENSOR」。写真:「LiDAR SENSOR」
モーターとプロペラは東京マイクロ社製品を採用。写真:機体のモーター部分

CN01は長距離飛行向けのドローンで、優れた耐久性・耐衝撃性を持つ。さらにはIP45の防水・防塵性能を備え、過酷な条件下でも運用を可能としている。最大飛行時間は約45分で、最大制御距離は15kmとなっている。最大離陸重量は6kgで、用途にあわせた多彩なモジュールを搭載して飛行できる。モジュールにはデュアルカメラ、LiDAR、拡声システム、LEDライト、パラシュートなどが用意されているそうだ。

MK01の外形寸法は540mm×500mm×257mm。最大飛行時間は30分。機体に搭載されているモジュールはRGB&赤外線カメラの「MCA-U300」。写真:展示された「MK01」
MK01のコントローラー。写真:展示されたコントローラー

MK01は、複数のモジュールを付け替えて多目的に使用できるマルチドローンとして設計されており、ズームカメラ、赤外線カメラ、LEDライトなどのモジュールが用意されている。バッテリーはホットスワップ対応なので、カメラシステムなどの電源を切らずに、どちらか一方のバッテリーを交換することができる。最大飛行時間は30分、最大制御距離は6km。また、両機体ともモーター、プロペラには東京マイクロ社製(日本製)を採用している。

CN01、MK01ともに東京マイクロ社製のモーター、プロペラを採用している。写真:展示されたプロペラ

MAJのCN01とMK01、産業用ドローンの新スタンダードを目指す

同社のドローンは、ベトナム電力会社(EVN)や軍関係、医薬品配送などベトナム大手団体、台湾軍で採用・実用化がされているそうだ。日本とのプロジェクトとしては、「2023年度みちびきを利用した実証事業」に参画しファンリード社と協働で、ベトナムでの電力不足問題の課題解決への一助として、高精度測位補強を可能にするMADOCA-PPPを活用したドローンベースの送電線点検の実証実験を実施した。

「開発力・技術力でユーザーニーズに応えることが可能なことが強み。また、セキュリティ面においても台湾軍でテストが行われたことからも、信頼性を評価されていると思う」と説明員は話す。

日本での機体販売はスタートしており、価格面においても同性能の他社製品よりも割安になるのとのこと。今後の展開が気になるメーカーとなりそうだ。

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