ケガからの復帰を目指すOTコリンズ、ビルズのどんな要求にも応える覚悟

ラエル・コリンズ【NFL】

オフェンシブタックル(OT)ラエル・コリンズはバッファロー・ビルズでNFLへのカムバックを果たそうとしている。

30歳のコリンズはキャリア通算86試合に先発しているが、シンシナティ・ベンガルズの選手だった2022年12月にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)とMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)を断裂して以来、先発出場から遠ざかっている。

過去1年は心身の回復に専念してきたコリンズは、ビルズと契約し、ようやく戦線で有意義なプレーをする準備が整ったと感じているそうだ。

「彼らはフットボールをプレーするために俺をここに連れて来てくれて、俺は全力を尽くす。あとは成り行きに任せるしかない」とコリンズは『WGRZ』 のジョナサン・アコスタに話している。

「毎日ここで練習に励む。若い連中を助けたり、求められたことは何だってやるつもりだ」

コリンズは7シーズン在籍したダラス・カウボーイズからリリースされた後、2022年に3年契約でベンガルズに加入した時のように、有力なフリーエージェント(FA)だった頃からそれほど衰えてはいない。

ただ、コリンズはベンガルズ入団当初から長引く背中のケガに悩まされ、それがプレーの低下を招き、やがてベンガルズでの選手生活に終止符を打つことになる膝の故障にも見舞われている。コリンズは昨年9月にリリースされた後、カウボーイズの練習生として1月の数週間を過ごした。

「想像もしていなかった、つらい状況だった」と振り返るコリンズはこう続けている。

「膝を断裂するというトラウマになるようなケガを負うのがどんな感じか、うまく説明できない。去年は頑張ればプレーできたかもしれないけど、精神的にそれが無理だとういことは分かっていた」

万全の状態に近づきつつあるコリンズは、昨季ラッシングヤードでリーグ7位、ラッシングタッチダウンで5位につけたビルズでの展望に胸を膨らませている。2年目のブレイクアウトからさらなる成長を目指すランニングバック(RB)ジェームス・クックや、計画的であろうがなかろうが、常にポケットから抜け出して自らヤード数を稼ぐつもりでいるクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンを擁するビルズは、今季もランゲームを多用する準備を進めており、コリンズにとっては好都合と言えよう。

ケガに悩まされる前のコリンズは地上戦でのブロッキングで活躍し、カウボーイズでプレーした最後の2シーズンでは、『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』によるランゲームでのブロッキング評価で平均89.5をマークしている。

オフェンシブラインマンの控えとなった今、コリンズは複数の役割を担える多彩さが、自分をビルズにとって貴重な存在へと押し上げてくれることを期待している。

ロースター入りを果たすことができれば、コリンズはOTスペンサー・ブラウンの後ろでライトタックルとしてプレーする可能性が高い一方で、必要に応じて反対側で起用されることも考えられる。さらに、リーグ初期の数年間プレーしたガード(G)のポジションを任されるかもしれない。

いろいろなポジションで貢献できることについてコリンズは、「それが俺の強みだ」と話している。

「どこでもプレーできるというのは俺にとってもメリットが大きい」

コリンズがまだ複数のポジションをこなせる能力を持っているなら、ビルズにとってもプラスになるだろう。

プレシーズンゲームに向けて、ビルズのベテラン選手たちがトレーニングキャンプでの練習に出席する7月23日(火)から、コリンズの今の実力が初めて真剣に問われることになる。最後のNFL先発から550日以上経っているコリンズはこれから、新しいチーム、そしておそらくそれ以上に自分自身に対して、何かを証明するための重要な数カ月を過ごすことになる。

コリンズは回復に専念していた時期について、「つらい日々だった。自分はもうダメかもしれないと、数え切れないくらいの考えが頭の中を駆け巡っていた。もう復帰は無理かもしれないって」

【R】

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