中国「改正反スパイ法」施行1年 きょうから新規定の運用開始 外国人への監視一層強まる

中国でスパイ行為の取り締まりを強化する「改正反スパイ法」が施行されてから1年になるのにあわせ、1日から新たな規定の運用が始まります。外国人への監視がより一層強まります。

中国政府は去年7月1日に改正反スパイ法を施行し取り締まりの対象を拡大したほか、国民に対して通報を義務化し表彰・報奨制度を定めるなど摘発機関の権限を強めています。

また、スパイ行為の定義の曖昧さや当局による恣意的な運用も懸念されるなか、アステラス製薬の男性社員が反スパイ法違反の疑いで逮捕されるなど外国企業には不安が広がりこの1年間で日系企業による現地駐在員の一部帰国や中国への投資を控えるケースも増えているといいます。

こうしたなか1日から運用が始まる新規定では、緊急時に現場の当局者が個人のスマートフォンやパソコンなどの電子機器を検査できます。

これにより、中国に入国する際、空港でスマホなどが強制的に検査されるのではないかと心配する声も広がっています。

このためある日系の金属メーカーは、中国への入国時は、海外出張用にセキュリティーを強化したパソコンを持参するほかデータは現地に到着後のみクラウド上から引き出せるようにするなど対策をとっているということです。

中国当局は「スパイ活動に関わりがない一般の人は対象外」などと強調していますが習近平政権は「国家の安全」を重視する姿勢をさらに強めていて中国で事業を展開する外国企業にも影響が広がっています。

© 日本テレビ放送網株式会社