企業発表で「イベント」が増加、「EC」が減少 PR TIMESが2024上半期のプレスリリースを集計

PR TIMESは、運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」において、2024年1月1日〜2024年5月31日に企業が発表したプレスリリース総計15万6,339件、24万3,251種の登録キーワードを対象に、データ分析と総括を行い、業界分析と各種ランキングなどを発表した。

「PR TIMES」ではプレスリリース発表の際に、発表企業がプレスリリース内容に関係するキーワードを最大10個登録できる。本調査では、これらのキーワードを集計し、総合ランキングでは2024年の企業活動の潮流を、そして月別ランキング推移からは企業動向の変遷と流行の兆しを分析している。

総合ランキング1位は「イベント」2位は「DX」

2024年上期総合では、2023年に続き、「イベント」が1位、「DX」が2位、「新商品」が3位と続いた。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に引き下げられた2023年5月以降、「イベント」は1年以上続けて1位をキープする結果となった。また昨年から順位を伸ばしていた「旅行」「観光」は、総合でも16位、17位と昨年を上回る順位となった。

月別に見ると、「AI」が3〜6位に定着したことに加えて、5月には「生成AI」が11位となり、2023年通年ランキングに引き続き順位を伸ばしている。

1月1日に発生した「能登半島地震」は、1月に企業が行う支援や義援金・寄付等に関する発表が多く、396件で18位に。上半期を通じても861件で88位と依然として注目度の高さがうかがえる。発信内容は支援や寄付に関する発表に限らず、震災を乗り越えようとする地元企業が発表する新商品などの情報も増えつつある。

2024年上半期、大きくランキングを落とした「EC」

2023年の同じ時期と比較して、キーワード件数や順位に注目するべき変動があったキーワードは「EC」だった。「EC」は、2023年は10位(2,736件)、2022年は9位(2,511件)とTOP10にランクインしていたが、2024年上半期は21位(2022件)と大きく順位を落とした。「旅行」「観光」といったリアルなお出掛けが可能になったことが要因と、PRTIMESは考察している。
このリアルな体験が解禁されたことによる傾向は、ビジネス領域でも同様の影響が見られ、出典や開催をはじめとする「展示会」のキーワードが2023年の857件から、2024年は1,061件と200件超のキーワード件数が伸びている。

業界カテゴリ別ランキング「広告・マーケティング」では、AIが2位に

業界カテゴリ別でもランキングを抽出。「広告・マーケティング」カテゴリの上位は、「マーケティング」が1,925件で、2位が「AI」560件となった。2位以降は「広告」558件、「DX」554件、「SNS」534件、「イベント」529件、「セミナー」485件となった。

「ビジネス・コンサルティング」カテゴリの上位は、「DX」1,156件、「スタートアップ」1,063件、「AI」671件、「セミナー」651件、「コンサルティング」490件、「イベント」430件、「マーケティング」429件、「生成AI」412件となった。

【調査概要】
対象期間:2024年1月1日~5月31日
集計対象:PR TIMESプレスリリース15万6,339件
発表項目:2024年上期総合&月別キーワードランキング、業界別分析等
発表日:2024年6月27日

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