米ボーイング、スピリットを47億ドルで買収へ 全額株式交換で

[1日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは1日、経営難の米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズを47億ドルで買収すると発表した。全額を株式交換方式(1株当たり37.25ドル)で行う。

両社は数カ月にわたり協議を続けていた。

ボーイングによると、取引総額はスピリットの最終的な純負債を含めて約83億ドルに上る。

ボーイングのスピリット買収に伴い、スピリットの顧客でもある欧州航空機大手エアバスは1日、米国、北アイルランド、フランス、モロッコにあるスピリットの4工場の中核業務などを引き継ぐと発表した。

業界筋によると、エアバス関連の事業は赤字であるため、同社はA350とA220の部品を製造するスピリット工場を引き継ぐ見返りとして最大10億ドルの補償を迫っていたという。

エアバスは、最終的な取引内容次第でスピリットから5億5900万ドルの補償金を受け取る一方、スピリットには資産の対価として1ドルを支払うと明らかにした。

スピリットはまた、エアバス向けのスコットランドとマレーシアのサポート事業を売却すると発表。また、北アイルランドの事業も売却するという。

ボーイングによると、スピリットの買収は2025年半ばまでに完了する見込み。

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