中国人民銀、プライマリーディーラーから国債借り入れを計画

[上海 1日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は1日、公開市場操作でプライマリーディーラーから近い将来に国債を借り入れる計画だと発表した。低下する国債利回りの安定化が狙いとアナリストやトレーダーは指摘した。

人民銀行が国債を売却し、信用フローや市場の利回りを管理する可能性があるという。

景気減速や不安定な株価を背景に、今年、国債には安全な投資先として資金が流入し利回りは過去最低を記録。当局は投機主導の動きが逆回転すれば金融の不安定化につながると懸念している。

人民銀は、現在の市況を踏まえた上での計画だと説明し、国内債券市場の安定的な運営を維持すると表明した。

中信証券のエコノミスト、ミン・ミン氏は「人民銀行は近く公開市場操作で国債を売却する可能性が高い。10年国債利回りが歴史的な低水準にある局面で国債を売却すれば、金利リスクの回避に役立つ可能性がある」と述べた。

発表を受け、国債10年物と30年物の利回りはそれぞれ6ベーシスポイント(bp)、7bp近く上昇した。

当局からはこれまでも国債利回り低下をけん制する発言が出ていた。

債券トレーダーは「人民銀が流通市場に参入するというシグナルだ」と述べた。

人民銀の潘功勝総裁は先月、人民銀が流通市場で国債取引を近く開始する可能性を示唆していた。

人民銀は、国債発行残高の5%程度を保有する。

サイプレス・インベストメント・マネジメントの投資ディレクター、Fan Qianghua氏は、人民銀行が国債の借り入れ・取引を行えば、市場の予想を管理する能力が高まると指摘した。

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