「紅麹サプリ」巡る問題発覚から3か月 自主回収した食品会社はいま【大分発】

2024年3月に発覚した小林製薬の"紅麹サプリ"を巡る問題。
厚生労働省のまとめによると、全国でこれまでに5人が死亡、相談件数は14万件に上っている。
多くの企業が製品の自主回収を行っていて、その中には大分県内の食品会社も。その企業を取材した。

県内でも17人が健康被害を訴えている

大分県内でも健康被害を訴えている人は17人。
未だ詳しい原因は判明していないが、小林製薬が製造していた紅麹原料にはサプリメント用と食品用があり、健康被害が報告されたのはサプリメント用である。

しかし、今回もう一方の食品用を使っていた企業の多くが製品の自主回収を行っていて、その中には大分県内の食品会社も。

別府市の食品会社も2つの商品を自主回収

厚生労働省は3月、紅麹原料を使用していた食品会社など173社を公表し、自主点検を求めたがが、いずれも健康被害は確認されなかった。

別府市のフジヨシ醤油もその1社。
昭和23年創業。看板商品「カトレア醤油」を中心に、県内はもちろん県外にも多くのファンがいてネット販売などで売り上げが年々伸びている。

今回すぐに2つの商品の自主回収を発表。
使っていた紅麹原料は、サプリ用のモノとは別で、健康被害も確認されていない。

紅麹を使用していない商品にも影響が

フジヨシ醤油山下平八郎工場長は「紅麹の報道を受けて、ことが重大なだけに紅麹を使っている製品をすぐに確認を取った。それで、すぐに自主回収することに決めた」と当時を振り返った。

しかし…。「カトレア醤油、あるいはそれに関連した製品に紅麹を使っているのではないかという問い合わせが非常に多かった。」と紅麹を使用していない看板商品についても、多数の問い合わせはあったと山下工場長は話す。
紅麹を使用していない商品の売り上げも一時的に落ちた。

一方で…
「この度は小林製薬の紅麹原料のことで大変なことと存じますが、どうか皆様お体をおいといになられてください」

「カトレア醤油のファンなので今後も応援しています」

県の内外から、このような応援のメッセージも多数寄せられたという。

該当した2つの商品をリニューアル

フジヨシ醤油では、自主回収の公表から3日間ほどは問い合わせが殺到し、電話が鳴りやまないような状態だったという。

問題の発覚からまもなく3か月、フジヨシ醤油では、自主回収した2つの商品をリニューアルして販売することに。

山下工場長は「(これまで)使ってきたし、愛着をもっているので、そういう製品が無くならないように、新たな製品として販売してほしいという声を多くもらった」とリニューアルに至った経緯について話した。

こうした声を受け、今回該当した「カトレアさんの元気みそ」と「みそかぼすドレッシング」の2つの商品のリニューアルが決まった。

山下工場長は「もともと紅麹というもの自体は機能性があって、体にいいということで食品業界でも使ってきた。お客さまがやはり紅麹についてかなり神経質になっている人もいると思ったので、弊社として紅麹を使わない製品化を考える、それに取り組むべきだということで」と、安心して食べてもらいたいと、おいしさはそのままに着色などを目的として使っていた紅麹を使わず原料を見直したという。

新しく生まれ変わった「ドレッシング」は4月から販売を開始。
「元気みそ」も7月から販売予定で、消費者から「楽しみにしています」という声がたくさん届いているという。

今回の問題について、現在、小林製薬からの補償の話も進んでいる。
フジヨシ醤油では、自主回収でかかった費用など卸売業者を通じて話を進めているということだ。

(テレビ大分)

© FNNプライムオンライン