最速6日にもVマジック点灯 折り返し地点で独走態勢のソフトバンクがまだまだ強くなる二つの理由

ソフトバンク山川(左)とオスナ(右)

4年ぶりのリーグ優勝奪還を目指すソフトバンクがパ・リーグで独走モードに突入している。2日の西武戦(東京ドーム)がちょうど折り返しの72試合目。ここまで71試合を48勝20敗3分けと驚異の勝率7割6厘をたたき出している。最速6日にも優勝マジックが点灯する勢いだ。

6月は17勝5敗1分けと勝ちまくった。全カード勝ち越し。28日からの日本ハム3連戦(エスコンフィールド北海道)を3連勝で締めくくった。

ただ、決して順風満帆というわけではない。開幕から二塁のレギュラーを争っていた牧原大成と三森大貴がそろって離脱。さらに5月31日の広島戦(みずほペイペイドーム)で主軸の柳田悠岐が右太もも裏を痛め、長期離脱が決まった。

重い空気で迎えた6月を支えたのは近藤健介ら主軸に加え、若い力の台頭もあった。ルーキーの廣瀨隆太、笹川吉康、正木智也、佐藤直樹らが活躍。投手陣も有原航平、モイネロを筆頭に先発、リリーフともに抜群の安定感を誇った。

一方で4番の山川穂高が沈黙。5月22日の楽天戦(京セラドーム大阪)で2打席連発を放って以降、30試合、実に128打席連続ノーアーチが続いている。それでも現役時代に長く4番を務めた小久保裕紀監督は「山川は苦しんでいますけどね。チームが勝っているのが4番にとって一番救いなんで。チーム状態いいときに早く戻せば全然。チームが苦しいときに打ってくれればいいからと言っていますんで」と信頼を寄せている。

また守護神のオスナも安定感を欠いている。6月23日のロッテ戦(みずほペイペイドーム)でセーブ失敗。調整登板となった30日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)も3失点を喫した。リーグトップの19セーブを挙げているが、2敗で防御率4・13と本来の姿にはほど遠い。

チームの屋台骨といえる4番と守護神が不調となれば、負けが混んでもおかしくないが、今のソフトバンクは補って余りある戦力で白星を積み重ねている。山川とオスナが本来の調子を取り戻したとき、他球団にさらなる脅威をもたらすだろう。

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