手作り巣箱に巣できた! 高城中でニホンミツバチ、和歌山県みなべ町

高城中学校の生徒が手作りした巣箱にできた、ニホンミツバチの巣=和歌山県みなべ町滝で

 和歌山県みなべ町滝、高城中学校(高台浩校長)で生徒が設置した巣箱に、ニホンミツバチが巣を作っている。ニホンミツバチは近年、数が減っており、3年前から巣箱を設置している同校で巣を作ったのは初めて。生徒らは温かく見守っている。

 同校では地域を知ろうと2021年2月から、総合的な学習の時間で世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」をテーマに取り上げている。ニホンミツバチは花の受粉を助けるなど、梅栽培で重要な役割を果たしている。生徒は地元の高城地域共育協議会会長で、ニホンミツバチの保護活動をしている梅農家の下村勤さん(80)らに教わりながら、学習したり、巣箱を作ったりしてきた。

 巣箱はスギ板製で、幅約38センチ、奥行き約42センチ、高さ約40センチ。21年4月に初めて校舎周辺の4カ所に設置し、その後、増やしたり掃除したりしてきた。現在、8カ所に置いている。

 ニホンミツバチが巣を作ったのは、今の2年生(当時1年生)7人が今年2月に掃除し、設置場所を体育館近くから運動場裏に変更した1箱。1週間ほど前に、教員が巣箱の中にニホンミツバチの群れが入っているのを見つけた。

 下村さんと生徒らが今月25日、巣箱の中を確認したところ、直径20センチほどの巣ができており、たくさんのニホンミツバチが出入りしたり周囲を飛び交ったりしていた。生徒らは「めっちゃおる」「すごい」と喜んだ。

 2年生の西口紗愛さん(13)は「ニホンミツバチに入ってほしいと思いながら掃除をした巣箱に、こうして巣を作ってくれてうれしい」と笑顔。

 下村さんは「巣箱を置いても、実際にその中に巣を作ることはなかなか難しい。来年の夏には巣箱いっぱいに巣が広がり、蜂蜜が採れるようになる。採取して子どもたちに届けたい」と話した。

ニホンミツバチの巣箱と高城中学校2年生

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