旧防災対策庁舎が町有化に戻る 震災遺構として町が保存 宮城・南三陸町

宮城県南三陸町は震災の津波で被災した旧防災対策庁舎を7月1日から町の所有に戻し、震災遺構として保存します。町長が献花に訪れ、犠牲者を悼みました。

1日朝、佐藤仁南三陸町長らが庁舎を訪れ、花を手向けて犠牲者の冥福を祈りました。 佐藤仁南三陸町長「これから町がしっかり維持管理をしていく責任を負わなければいけないという思いがあるので、私も町民の皆様も周りの環境整備を含めてこの庁舎を守っていきたいと思っております」

震災の津波で43人が亡くなった旧防災対策庁舎をめぐっては保存か解体かで町民の意見が分かれ、2031年までは県が所有することになっていました。

しかし3月に佐藤町長は期限を前倒しして所有を県から町に戻すと発表し、震災遺構として保存を続けることになりました。

南三陸町民「当然自分たちで守るべきものだから町有化は当たり前かなと思ってました。時期的には少し早かったかなと思いますけど、それはそれで良いのかなと思ってました」「議論が尽くされた感がしないまま町有化に移行してしまったのは、腑に落ちない部分は多いかと思います」「今でも行ってあの場所で手を合わせることは自分としてはできないんですけど、それぞれの考えがありますので。将来の子ども達に語り継いでいくというのが一番の私の願いですけどね」

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