和歌山市など3市で食用廃油回収の実証実験スタート

和歌山県は、これまで廃棄されていた食用廃油をディーゼルエンジンの燃料にリサイクルする実証実験を、きょう(7月1日)からスタートし、和歌山・海南・有田()の3市のスーパーなどに回収ボックスが設置されました。

回収ボックスに廃油を入れた容器を納める女性(7月1日・和歌山市美園町・サンキョー和歌山店)

県では、有田市のENEOS和歌山製造所が行う予定の使用済み天ぷら油からジェット機用燃料・SAFを精製する新しい事業を見越して、一般家庭などから出る使用済み廃油を回収する仕組み作りのための実証実験を、再来年(2026年)3月末までの2年間行っています。

持ち込まれた廃油は月に1回程度回収され、大阪市の植田油脂()株式会社がバイオディーゼル燃料に精製して、廃油を回収するトラックや大阪・関西万博の建設工事で使われる重機などに再活用します。

設置された回収ボックス

このうち、JR和歌山駅近くのスーパー・サンキョー和歌山駅店には、早速地元の女性客がエビフライを揚げるのに用いた食用廃油を入れたポリ容器を回収ボックスに納め、そこから新しいポリ容器を取り出して交換しました。

食用廃油を入れるポリ容器

女性は「エビフライを揚げるとすぐに汚れてしまうので、捨てなければならず、これまでは、ぼろ切れを詰めた牛乳パックに油を入れて燃えるゴミの日に捨てていたので、面倒で重たかったのですが、これからは買い物のついでに楽に捨てられて有難いです。同時に良いことをしている気分にもなれます」と話していました。

和歌山県エネルギー転換班の中島副主査

県・エネルギー転換班の中島可南子(なかしま・かなこ)())副主査は「この取り組みが浸透していくことで、県民のリサイクル意識の向上と新しいエネルギー産業の創生につなげたい」と話しています。

県では、引き続き廃油回収に協力するモニターを募集しています。

対象となるのは、和歌山・海南・有田の3市にあるスーパーマーケットやリサイクルセンターなどに設置された回収拠点に使用済みの食用廃油を持ち込める人で、モニターには専用の回収ボトルが無料で配布されます。

応募方法は専用のウェブサイトからの入力が必要で、登録した人には固有のモニター番号が通知され、回収拠点に油を持ち込む際に番号の申告が必要です。

詳しいことは、県・成長産業推進課の ウェブサイトに掲載されています。

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