能登半島地震から半年 アルバイトで生活支え「辛抱」続く漁師 海女は漁再開へ「やっぱり潜りたい」

地震前までは石川県内最大の水揚げを誇ってきた輪島港ですが、元日の地震で海底が2メートルほど隆起し、およそ200隻の漁船が操業できなくなりました。そんな中、漁師たちは漁のなんとか再起を目指しています。

石川県の輪島港の上空、地震発生後の岸壁には亀裂が大きく亀裂が入りました。

水深を確保するため、国は2月から海底の土砂を取り除くしゅんせつ工事を開始。

港内に設けられた仮の桟橋に船を移動する作業も行われ、徐々に復旧に向けた動きが進められていますが…

輪島市底曳組合・沖崎勝敏組合長「まだまだですね。いい凪のときに家にいるのが歯がゆい」

6月27日、金沢港の一角に輪島の漁師たちの姿がありました。2次避難を続ける中で、全国の漁師仲間から提供された網を衣類などの素材に再生するため、網を裁断するアルバイトを行っています。

先の見えない暮らしに漁師たちは不安を抱えています。

漁師たちは「施設も壊れているし、施設もよくしないと。港だけ良くなっても漁に出られない」「早いこと復興させてほしい。輪島の漁師がいなくなる」

輪島を代表する漁の1つに海女漁(あまりょう)があります。海士町磯入(あままちいそいり)組合では、130人ほどいる海女のうち、3分の1が2次避難を余儀なくされました。

海女「今年初めて。やっぱり潜りたい」

6月14日、漁の再開に向けて2次避難していた海女も含め、およそ100人が海に潜りました。海の状態を確認し、夏場に旬を迎えるモズクの生育状況を調べるためです。

潜った海女「モズクはやっぱり例年より少なかった。全体的に浅くなっていた」

海女漁の主力となる舳倉島(へぐらじま)や七ツ島周辺でのサザエやアワビ漁は保管が難しく見送られましたが、7月から沿岸でのモズク漁をスタートしようと、海女たちは海岸の清掃活動など、着々と準備を進めています。

輪島の海女漁保存振興会・門木奈津希会長「今できることから何かしようと思って。一刻も早く、皆さん潜りたいと思っている」

港では7月から内側のしゅんせつ工事が始まる予定で、魚を保存するために必要な製氷施設も修復が待たれますが、海女漁の再開は輪島の水産業を取り戻す一歩になりそうです。

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