フォーミュラEシーズン10第14戦アメリカ、オレゴン州のポートランドで前日の第13戦に続いてのダブルヘッダーで開催された。
前日のレースではジャガーのワン・ツー体勢からキャシディの優勝が確実に見えたが、ゴール直前に痛恨のスピンを喫しポイントを獲得できなかった。また、他のチャンピオンシップを戦うドライバーもポイントを稼ぐことができず、結果的に、大勢に大きな変化の起こらなかったレースとなった。
第13戦を終えた時点でランキングトップはキャシディの167pt、2位ヴェアライン143pt、3位エバンス140ptで2位と3位が肉薄している。そして今季絶好調のオリバー・ローランドが4位131ptと続いているが、残念ながらこのポートランドの2戦を欠場しており、チャンピオンシップ争いは厳しい状況だ。
そして5位デニス121ptはシーズン9のチャンピオン、6位にベテランのヴェルニュが116ptで、7位もベテランのダ・コスタ109ptとつづく。計算上ではこの7位までにチャンピオンの可能性があるが、実際は上位の3名に絞られているといっていい。
さて、レース2となる第14戦のグループ予選ではキャシディ、ヴェルニュがデュエルスに進出し、エバンスが通過できなかった。またグループB予選もダ・コスタ、ヴェアラインがデュエルス進出を決め、デニス、ナトのアンドレティ2台が揃って敗退している。またニッサンのサッシャも調子は上がらず敗退となった。
デュエルスではなんとキャシディがヴェルニュに破れる波乱があり、ヴェアラインもダ・コスタに破れるというチャンピオンシップをリードするトップ2人が初戦で敗退という結果になった。
そしてポールポジションはフォーミュラE最多となる17回目のポールをヴェルニュが獲得した。一方で、デュエルスの流れではベテランの活躍が目立ち、ヴェルニュ、ダ・コスタ以外にもバードが進出している。またシーズン7のチャンピオン、デ・フリースもデュエルスに進出する活躍を見せた。
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なかでもヴェルニュとダ・コスタは、チャンピオンを諦めていないという熱い走りを披露している。一方、他のベテラン勢はチャンピオンシップには直接関係しないポジションでのレースを行うことになる。
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決勝
決勝レースは前日より1周少ない26ラップで競うが、序盤はポジション争いというよりエネルギーロスを極力避け、回生でバッテリー残量を減らさないようにする展開になる。そのため、レースラップも極めて遅く予選の1分8秒台から遅れること5秒ほどの1分13秒台で周回する。
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そのためスタートの1コーナーでもポールのヴェルニュがあっさりとダ・コスタにトップを譲るような動きからレースが始まった。3周を消化するとアタックモードが使えるが、これも消化アイテム化しており、パワーアップすることの有利さが有利ではないアイテムになりつつある。
そのため3周を終えると続々とアクティベートゾーンへ飛び込むマシンが増え、順位は混沌とする。そうした中チャンピオンシップリーダーのキャシディは19位付近に位置し、バッテリーの温存をしている。チャピオンを追うヴェアラインは上位のトップグループを形勢している。
前日とは違い接触の多いレースとなり、破損したパーツが随所にある状況となり、19周目にSCが入ることになった。じつはこの時、キャシディはフロントノーズを破損し、ピットインせざるを得ない状況だった。しかしレースはSCでの周回だったため、ノーズコーンを交換して最後尾に追いつくという幸運があったのだ。
SC明けは24周目、アディショナルラップは1周と表示。残り4周となったところでスプリントレースが開始される。ダ・コスタ、フラインス、エバンス、ヴェアライン、ベルニュがトップ争いをするがキャシディは上位に上がってこない。
そしてファイナルラップも順位は変わらず、ダ・コスタが前日に続き優勝を飾った。結果は1位ダ・コスタ、2位フラインス、3位エバンスという順。
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ダ・コスタは第12戦の上海でも優勝しており、これで3連勝という快挙になる。シーズン序盤、チームメイトのヴェアラインとは対照的に成績が出ず、苦しいシーズンになっていた。またシーズン中盤には今季限りという噂まで飛び出し、お尻に火がついた状態で終盤に入っていた。それがここにきて急激に調子をあげ、チャンピオンシップにも絡む位置まで浮上してきたのだ。
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またキャシディは今回もノーポイントとなったが、トップの座は譲らず、2位にエバンスとヴェアランが同点でキャシディに17点差、そしてダ・コスタも33点差で4位につけている。
次戦はいよいよファイナルのダブルヘッダーで7月20日、21日イギリス・ロンドンで最終戦を迎えることになる。
第14戦終了時点ランキング
シーズン11 暫定日程
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