「こども誰でも通園制度」大阪市で試験運用スタート 生後6か月から2歳まで可能 400超の申込みも

親が働いていなくてもこどもを保育所などに預けられる「こども誰でも通園制度」が、大阪市で1日から試験的にスタートしました。

保育士さん

「おはよう!」

元気に駆け込んでくる子どももいれば、お母さんからなかなか離れようとしない子どもも。普段は自宅で過ごしているという1歳の子どもたち。この日初めて教室に入り、様々な表情をみせてくれました。

保育士さん

「ガタン、ゴトン、閉まりまーす」

大阪市でこの日から試験的に始まった「こども誰でも通園制度」。親が働いていなくても、生後6か月から2歳までの子どもを保育所などに預けることができる制度で、利用は1時間300円、上限は月に10時間です。17の施設に対し、400を超える申し込みがありました。

制度を利用した保護者

「(私が)体調不良の時とか病院に行く時は、夫に仕事を抜けてきて(子どもを)見てもらっていたので、そういう時にどこか預かってくれる人がいたらいいなと思っていました」

この制度は子育て家庭の多くが不安を抱えている「孤立した育児」を解消するためのもので、国は再来年度からの本格実施を目指しています。ただ、受け入れる側は…

住の江幼稚園 市田守男 理事長

「うちはたまたま産休の先生が帰ってきて、職員に余裕があったからできてるようなもの。 他の園の話を聞いていると、日々の保育に人が足らないと。この制度をやってくれと言われても、手を挙げるところは少ないでしょう」

その日の子どもの体調やアレルギーなども把握する必要があり、受け入れるのは簡単ではないといいます。この状況での制度実施に専門家は…

大和大学白鳳短期大学部 東孝信 教授

「(別の自治体の試行期間では)『誰でも通園』で来ている子どもたちの中には、慣れていないからずっと1日中泣きっぱなしで、ずっと抱っこしないといけないとか、 つきっきりで他に目が行き届かないというような実態はあるように聞いています。この制度に自治体、そして国がどれだけ支援していけるか」

本格実施に向けては、保育士の待遇改善など課題が山積しています。

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