「半年が経っても全然返せる状況にはない」能登半島地震被災市で車の貸し出しを行う団体が『支援を延長』宮城・石巻市

元日に発生した能登半島地震から7月1日で半年です。被災地で車の貸し出しを無償で行なう宮城県石巻市の一般社団法人は、利用者のニーズが高い状態が続いているとして、貸し出しの期間を10月まで延長することを決めました。

石川県のまとめによりますと、能登半島地震では、関連死を含め281人が亡くなり3人が行方不明となっています。また、2000人余りがいまも避難生活を続けています。

こうしたなか、石巻市の日本カーシェアリング協会は、地震発生後、石川県内の9カ所に拠点を設け、乗用車や軽トラックなど397台を、被災者や支援団体に無償で貸し出す事業を続けています。

6月28日現在の利用者数は延べ2771人。当初、貸し出しは7月末で終了する予定でしたが、乗用車の長期利用のほか、片付け作業などで必要な軽トラックのニーズはいまだに高く、10月15日までの延長を決めました。

日本カーシェアリング協会 石渡賢大事業部長:
「通常水害の場合は支援期間が最長で5カ月ぐらい。5ヵ月の間にみなさんがほとんど車を手に入れて、(借りた車両を)戻すことが出来ている。今回は半年が経っても全然返せる状況にはない」

協会は、東日本大震災の直後に設立され、これまで、全国23件の災害の被災地で、車両を無償で貸し出してきました。今回の能登半島地震では、自動車保険料の増加などで必要経費は7000万円以上に膨らむ見通しです。民間団体の助成金や一般の寄付などで何とかめどはついたものの、多発する自然災害への備えは急務として、7月中旬からクラウドファンディングを開始し、今後の資金の確保を目指すことにしています。

日本カーシェアリング協会 石渡賢大事業部長: 「車の被災の課題は自分たちだけで解決できるものではなく、多くの人に関わってもらう方法を提示をしていきたい。そのひとつとしてクラウドファンディングを実施して多くの人に知ってもらう」

能登半島地震の発生から半年。支援団体は、資金確保に課題を抱えながら、息の長い支援に取り組んでいきます。

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