【能登半島地震から半年】液状化被害復旧は 公費解体いつに 被災者の不安な日々【新潟】

新潟市は最大766万円を補助する新たな支援事業を決定

元日の能登半島地震から7月1日で半年です。液状化現象で大きな被害を受けた新潟市西区では、先の見えない生活再建に被災者はいまだ不安な日々を過ごしています。新潟市は、新たな支援と公費による住宅の解体を進め、一日も早い復旧・復興を目指します。

■岡拓哉アナウンサー
「新潟市西区の善久地区です。震災から半年がたってなお、割れた地面や噴出した砂など液状化の被害がそのままの状態です。こちらでは震災で被害を受けた住宅の新潟市による公費解体が進んでいます。業者によると、その先4~5件予約でいっぱいだといいます。」

能登半島地震から7月1日で半年。人的被害は、重傷が6人、軽傷は44人。住宅被害は2万1236棟で、全壊が106棟、半壊は3774棟に上っています。このうち新潟市は、1万5000棟あまりの被害が確認された新潟市では、自治体の公費による解体が実施されていますが、552件の申請に対し、完了は7件にとどまっています。

■山田定雄さん
「(ここで生活を?)ここでね。だいたい1日ここにいましたね。」

液状化の被害で、自宅が大規模半壊の判定を受けた、山田定雄さん。亡くなった母親が60年前に建てたという思い出の自宅の解体を決め、西区内の別の地域に家を購入しました。
■山田定雄さん
「もうあっという間。半年なんて。半年たったのかなと言う感じ。このうちは私の元なので、大事な家だが平穏な暮らしが本当にこんなにありがたいのかと実感している。」

新潟市からの補助金や地震保険が適用された資金で新たな生活をスタートさせましたが、すでに申請している公費解体については、まだ着工には至っていません。
■山田定雄さん
「市の話によるとだいぶ遅れているので、年内には終わらせたいと言っていた。」

山田さんが取り出したのは、2カ月ほど前に購入したというトランペットです。
■山田定雄さん
「お母さんの心を、たぶん悲しんでいると思うので慰めるつもりでトランペットで演奏している。」

新潟市は、先週液状化の被害を受けた住宅などへの支援に、最大766万円を補助する新たな支援事業を行うことを決定。申請の受付は、8月上旬ごろの開始を目指しています。
■山田定雄さん
「これからいろんな計画が出てくると思うが、それを見ながら判断をしていこうかなと思っている。この場所で住めるような状況になれば私も戻ってきたいと考えている…。」

半年たった今も、陥没したり隆起したままの道路。その復旧作業がようやく始まろうとしています。
■新潟市職員
「この道路の高さを削ります。」
■被災者
「けずるんですか?」

新潟市は住民に対して、復旧工事により道路の高さがどの程度変化するのか説明しました。6月29日は、西区の寺尾東を職員が回りました。
■住民
「道路自体はずっと手つかずだったので、これから1日でも早い復旧を願うばかり。」

復旧が必要な公道の総延長は市内全体で約35kmに及び、新潟市は2024年秋から工事に着手し、2年以内に完了したいとしています。

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