「遺族に頭を下げたい」との要望を検察側が拒否 妻と子ども2人を殺害した男に検察が懲役30年を求刑

テレビ愛知

自身の妻と小学生の子ども2人を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、検察は男に懲役30年を求刑しました。

起訴状などによりますと、電気通信工事業の田中大介被告は2022年8月、当時住んでいた愛知県扶桑町の自宅で妻の智子さんの首を両手で締めるなどして殺害した後、犬山市内に止めた車の中で長女の千結さんと長男の十楽さんの首をひもで締めるなどして殺害した罪に問われています。

7月1日の裁判員裁判で検察側は、「智子さんを殺害した背景に、被告人の妄想性障害の影響があった事は否定できない」とした一方で、「妄想性障害が犯行に与えた影響は限定的であり、犯行時、被告人には完全責任能力があった。”強固な殺意に基づく残忍かつ冷酷な犯行”」などとして、田中被告に懲役30年を求刑しました。

一方、弁護側は「妄想性障害の影響を抜きにしては、智子さんの殺害に至った理由に説明がつかない」と延べ、「被告人は智子さんの殺害時、心神耗弱状態にあった」として、懲役25年に処するのが妥当と主張しました。

最後に、裁判長から「何か言いたいことはありますか? 」と問われた田中被告は、「智子・千結・十楽の命を奪ってしまった。この場で遺族に頭を下げる機会を与えてほしい」などと述べましたが、検察側が田中被告の謝罪を拒否し、裁判は閉廷しました。

判決は7月9日に言い渡されます。

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