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能登半島地震の発生から7月1日で半年。
元日の輪島朝市を襲った大規模火災では、約240棟の建物が焼失しました。
大火災現場で起きていた変化とは。青井キャスターが半年経った被災地の今を取材しました。
被災した建物を行政が取り壊す公費解体が、朝市通りでも6月からようやく始まりました。
そして7月1日、元日に襲った地震が発生した午後4時10分に、被災地では犠牲者を悼み黙とうがささげられました。
1日朝に取材した南谷良枝さんは、ここ朝市で30年以上露店を営んできました。
2年前に朝市での良枝さんの姿を捉えた映像では、テントには自家製の干物などがずらりと並び、娘の美有さんと2人で店を切り盛りしていました。
ところが被災直後、朝市を初めて訪れた際には、あまりに変わり果てた姿に言葉を失いました。
半年が経っても復興が進まない朝市の現状。
しかし良枝さんは、各地で開催される出張朝市に出店するなど、復活に向けて動き始めていました。
南谷良枝さん:
出張輪島朝市に行きながら、加工場再建に向けて、少しずつだけど前に進めたらな。
良枝さんに海産物の加工場を案内してもらうと、被災直後は加工品や調理器具などが散乱していましたが、片付けが進み、今はきれいになっています。
しかし、水道が通ったのは1カ月ほど前のこと。
敷地内は地盤沈下するなど、被災の爪痕が残る中で新たな悩みが浮上していました。
青井キャスター:
売っていくものはまだある?
南谷良枝さん:
売っていくものはもうない。
青井キャスター:
新しいものを作りたいのに作れない、どこでつくるかという状況?
南谷良枝さん:
そうですね。
被災後、商品が生産できず在庫切れの危機に。
新たな加工場を作るために、生まれ育った輪島を離れることも考えているといいます。
南谷良枝さん:
あの大きな土地を直すのはもう無理なので。ここを解体して次の所に行くことも考え始めています。
そこには、被災後に継ぐことを決意してくれた娘の美有さんへの母心もありました。
南谷良枝さん:
娘が跡を継ぐって決めてくれているので、彼女に怖い思いをさせたくない。