「書の甲子園」で全国準優勝 さらなる挑戦を続ける大分南高校書道部 【大分県】

昨年の第32回国際高校生選抜書展「書の甲子園」で、準優勝に輝いた大分南高校書道部。年間を通じてさまざまな大会があるが、部の最大の目標は同大会の優勝。そこに向けて日々練習を重ねているため、全国2位という成績にも悔しさがあふれた。

部長の伊東愛紗(3年)は「わずかに届かなかった。悔しさが大きかった分、すぐに気持ちを切り替え、今年にかける強い気持ちで毎日の活動に励んでいる」。今年は全員の士気を高めるために、練習だけでなく、どんな小さな準備も先輩後輩関係なく一緒に行っている。「同じ目線で活動することで団結力が生まれ、それぞれの成長につながる」と伊東は言う。

現在部員は26人。大分県を代表する書道部として全国にもその名を響かせているが、強さの秘訣(ひけつ)は練習量だけでなく「人間性にある」と顧問の鹿苑晋史講師は言う。「書の技術だけでなく、あいさつや礼儀、チームとしてやるべきことが3年生から後輩へしっかりと伝えられている。部活動を通じて育まれる人間性が、結果として良い作品を生んでいる」。その関係性は卒業後も続く。卒業生たちは定期的に部を訪れ、書の指導や部員たちの相談に乗っている。大会へ向けて苦しい時期もあるが、受け継がれてきた大きな愛情が部員たちの支えとなり、成長につながっている。

毎日のひたむきな練習が数々の大会で結果を残している

今年1月に行われた第36回大分県高校競書展では、県知事賞や県美術協会書道部会賞など5部門に入賞し、4人が特選入賞した。伊東は「日々の練習を重ねるだけでなく、作品を作る上での大事な部分を先生や先輩に学んできたことが結果になっている」と分析する。3年生になった今でも「入部時と同じように、基礎練習を徹底的に重ねている」と初心の大切さを語った。

「大切なのは上手な字を書くことだけでなく、人とのつながり。仲間と共に目標に向かい頑張り、楽しむことが卒業後の宝物になる」と鹿苑講師。自主性や人間性を高めながら、今年も部員の気持ちを一つにして全国の頂点を目指す。

同じ目線で活動することで団結力が生まれる

(塩月なつみ)

© オー!エス! OITA SPORTS