東証、Liberawareの上場承認。7月29日にグロース市場に。

by ドローンジャーナル編集部

東証が小型ドローンを開発する「Liberaware」の上場を承認。2024年7月29日にグロース市場に上場する予定だ。業種は「精密機器」。小型ドローンを活用した独自の技術とビジネスモデルで市場からの注目を集めている。

見えないリスクを可視化するLiberawareの事業内容

2016年8月に設立されたLiberawareは、「見えないリスクを可視化する」というビジョンのもと、屋内狭小空間点検ドローンであるIBISシリーズをベースにしたドローンの開発を中心に事業を展開している。同社は、点検サービス、ドローンのレンタル・販売、そしてドローン等で収集したデータの処理・解析といった幅広いサービスを提供している。このソリューションは、老朽化するインフラや労働人口減少といった社会課題の解決に役立てられる。

Liberawareが開発した屋内狭小空間点検ドローン「IBIS2」。IBIS2の写真

Liberawareの代表的な製品である「IBIS2」は、狭小空間での点検作業に特化したドローンだ。工場やプラントの内部、配管の内側など、従来の点検方法では難しい場所での作業を可能にし、安全性と効率性を飛躍的に向上。また、IBIS2を使用した点検サービスは、定期的なメンテナンスや異常検知に役立ち、設備の運転停止時間を最小限に抑え、コスト削減にも貢献する。さらに、ドローンで収集した膨大なデータを効率的に処理・解析するサービスも提供しており、顧客はより迅速かつ正確な意思決定が可能となる。

同社はドローン事業、デジタルツイン事業、そしてソリューション開発事業の3つの事業を展開しており、この3本柱を強みとして上場する。

ドローン事業では、自社開発の屋内専用小型ドローンIBIS2を中心に、調査・点検・測量用のドローン撮影画像を提供する「点検ソリューション」と、ドローンの販売・レンタルを行う「プロダクト提供サービス」を展開している。IBIS2は暗所や高温環境など過酷な条件での飛行が可能で、危険な場所の調査・点検を人の代わりに行う。

デジタルツイン事業では、関連会社CalTa株式会社のソフトウェア「TRANCITY」と自社開発の「LAPIS」を用いて、ドローンで取得した映像やデータをデジタルツインとして構築し、インフラや設備の維持管理を効率化している。特に鉄道業や建設業の顧客が多く、データの時系列管理により継続利用が見込まれている。

ソリューション開発事業は、ドローン事業やデジタルツイン事業の基盤となる事業で、インフラ・プラント業界や建設業界のニーズに応じたドローンやデジタルツインプラットフォームを開発している。顧客企業との協働で課題を解決するソリューションを提供し、特殊環境対応ドローンの開発や新たなサービスの創出に取り組んでいる。

企業の成長と展望

2023年7月期の売上高は3億7960万4000円。従業員数は43名で、専門的な知識と技術を持ったチームが支えている。今回の上場により、同社は資金調達の機会を得ると同時に、企業価値の向上を図り、国内外での市場拡大を目指している。

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