韓国最大の“性スキャンダル”バーニングサン事件から5年…活動を自粛せざるを得なくなった被害者たち

歌手のチョン・ジュニョン、BIGBANG出身のV.I、FTISLAND出身のチェ・ジョンフンなどが関わった韓国最大の“性スキャンダル”バーニングサン事件が世間を騒がせてから、5年が過ぎた。

この5年で、スンリとチョン・ジュニョンをはじめ、関係していたメンバーたちは刑期を終えて出所し、目撃談などで近況が知られている。特に、スンリは事業拡大に努めており、チョン・ジュニョンとチェ・ジョンフンは芸能界復帰を試みるような歩みで大衆の怒りをかっている。

(写真提供=OSEN)左からチョン・ジュニョン、V.I、チェ・ジョンフン

彼らが“努力”している間、バーニングサン事件の被害者たちは事件収束後も自身の潔白を伝えるため、駆け回らなければならなかった。すでに事件と無関係であることが明らかになったにもかかわらず、依然としてバーニングサンのレッテルが貼られたままの彼らの死闘は6年間続いている。

先立って、先月YouTubeチャンネル「BBCニュース・コリア」ではドキュメンタリー映像「バーニングサン:K-POPスターたちの秘密トークルームを暴露した女性たちの話」が公開された。

この映像が公開されたことにより、5年ぶりにバーニングサン事件が再び世間の関心を受けることになった。

“1枚の写真”で人生を狂わされた女性たち

そんななか、女優コ・ジュンヒはYouTubeチャンネル「朝ご飯食べて行け2」に出演し、“バーニングサン女優”と呼ばれたデマの釈明に乗り出した。

コ・ジュンヒは2019年、スンリ、チョン・ジュニョン、チェ・ジョンフンなどがグループチャットで言及した「投資家の集まりに招待しようとした女優」の主人公として名指しされ、苦境に立たされた。当時、コ・ジュンヒは何度も強く否定したが、このことがきっかけで出演ドラマから降板するなど、被害を受けなければならなかった。 コ・ジュンヒがデマに巻き込まれたのは、スンリと一緒に撮ったたった1枚の写真のせいだ。

(写真提供=OSEN)コ・ジュンヒ

「私はバーニングサンがどこにあるかも知らないし、バーニングサンに行ったこともない。これまで、時間が過ぎたと言うが、この数年間、『違う』と言い続けた。しかし、聞いてくれる人は誰もいなかったし、(テレビやインタビューなどでは)そこだけ編集して出してくれなかった」と吐露した。

続けて「とある雑誌の乳がんキャンペーンイベントに行った。その友人(スンリ)が私と同じ所属事務所で、『一枚だけ一緒に写真を撮ってほしい』と言われ、撮っただけ」と当時を振り返ったコ・ジュンヒは「会社に連絡して、『違う』と言えばきれいに終わると思い、話した。でも会社では放置した。会社を辞めて、一人で弁護士を選任した。ところが釈明する時間が長くかかり、認めた格好になってしまった。私が計画した作品や仕事がすべて取り消しになった。違うことを違うと釈明することが一番難しいと思った」と涙ながらに語った。

恋愛リアリティ番組『ハートシグナル』出身の女優ソン・ダウンも、“麻薬女優”という汚名を払拭しようとしている。

ドキュメンタリー映像公開後の6月17日、自身のSNSで長文を載せ、「ここ数年間、私に貼られたレッテル“クラブ麻薬”、または“麻薬に関する特定に値する行動”を一切したことがない」と強調した。

(写真提供=OSEN)ソン・ダウン

「ある日、学校のある先輩が一緒に夕食を食べようと言った。その時、その場にスンリがいた。私が、その方の学校の後輩だということを知ってよくしてくれた。その後、ラウンジクラブ(モンキーミュージアム)をオープンするという連絡がきた。手伝ってほしいという言葉に大きな問題にはならないと思って同意した。その当時、私がしたことはドアの前でノートパソコンに入力された予約者が誰なのか、その予約者のお客さんなら手首にバンドを巻くこと。最初の一カ月だけ手伝ってほしいと言われた。一カ月の給与に対する内容は証明できる。仕事をする前、保険証もなければいけないと言い、区役所に行って保険証ももってきたので不法に営業をしているとは全く知らなかった」と釈明した。

一緒に写真を撮ったのも、偶然、モンキーミュージアムの1周年パーティーに招待され、商品券が当たって撮影したものだと。

ソン・ダウンは「私に関するバーニングサンの噂は全て事実ではない」として「当時、会社で記事を出したが、あまりにも大きな事件でもあり、誰も私の話を聞いてくれなかった。他の先輩女優が失われた6年について伝えていたが私もそうだった。キャスティングされたすべてのドラマから降板することになり、進行していた広告、ラジオなどリアルタイムで活動できない状況になり、毎日毎日涙を流しながら絶望的な日々を送っていた。今も事実ではないすべての状況が実際に私がしたことのようにレッテルのように付きまとい、困り果てて気持ちがとても重くて大変だ」と訴えた。

チョン・ジュニョンと繋がりがあるという理由で、女性たちを盗撮した映像を共有したグループチャットのメンバーと誤解された人もいる。

一緒に番組をしていただけで…

最近、ドラマ『ソンジェ背負って走れ』に出演した俳優イ・チョルもバーニングサン事件が再照明され、足を引っ張られている。

これに対し、イ・チョルは「当時、会社を通じて立場を明らかにしたように、該当のチャットルームに私は含まれていなかったことを改めて申し上げる。かんばしくない事件で私が言及されるチャットルームは、2016年、JTBCバラエティ『ヒットメーカー』出演当時、撮影に必要なスケジュールと内容を共有するための“プログラムチャットルーム”であり、番組に関連した内容以外の私的な話は交わさなかっただけでなく、番組終了後にチャットルームはなくなっている」と説明した。

(写真=イ・チョルInstagram)

チョン・ジュニョンのチャットルームが明らかになると、彼が不法に撮影した映像を共有したチャットルームのメンバーがさらにいると知られ、これに伴い『ヒットメーカー』に共に出演していたチョン・ジヌ、カンイン、イ・ジョンヒョン、ヨン・ジュニョン、イ・チョルに飛び火した。

彼らがいたチャットルームは、単純な『ヒットメーカー』撮影のために作られた空間であり、該当チャットルームのメンバーたちは警察の調査さえ受けていない全く関係のない人物たちだった。

実際、初めて疑惑が提起された時もイ・チョルをはじめ、カンイン、チョン・ジヌは「撮影のために作ったチャットルーム」、「その後は安否以外に使用していない」「そのような映像を見たこともない」と強く否定した。

だが、ドラマがヒットし、バーニングサンの関係者というデマが再び注目されると、イ・チョルは再び釈明に乗り出し「数年間続いている虚偽事実と悪質コメントで私だけでなく私の家族、知人まで苦痛を受けている。これ以上、無分別な憶測と推測は慎むことを丁重にお願いする」と訴えた。

また、関係がないことが明らかになったケースもあった。

「動画は見てしまったが…」

歌手のヨン・ジュンヒョンはチャットルームのメンバーであるかのように報道され非難されたが、その後報道されたチャットの内容が寄せ集められたものであり、ヨン・ジュンヒョンが送ったメッセージはチョン・ジュニョンが2016年に私生活問題に包まれた当時、1:1のチャットルームを通じて交わされた内容だと釈明。

ただ、チョン・ジュニョンが1:1チャットルームでヨン・ジュンヒョンに一度不適切な映像を送り、相互同意の下に撮影された映像であっても流布は無断で行われたという点で、その映像を見たヨン・ジュンヒョンもやはり非難を避けられなかった。結局、ヨン・ジュンヒョンは法的な処罰は受けなかったが、警察の参考人として取り調べを受けた後、HIGHLIGHTから脱退した。

(写真提供=OSEN)ヨン・ジュンヒョン

ヨン・ジュンヒョンは去る12日、「個人のメッセンジャーに何の説明もなしに送られてきた黒い画面の動画を押してみた。押して確認する前はどんなものなのか、どんな意図なのか分からなかった。その後、私は『やめろ、これは間違っている』と言うこともできたが、そのようなことを言える人にはなれず、大したことではないように流した」としながらも「私はどんなグループチャットに入ったこともなく、口にするのも嫌なことが起きた事件に関与していない」と釈明文を載せ誤解を正した。

刑事法上には、「一事不再理」の原則がある。

特定事件に対してすでに判決が確定した場合、再び公訴を提起することはできないという内容だ。スンリをはじめとするバーニングサン関係者やグループチャットのメンバーたちも実刑を宣告され服役を終えた時点で罪に対する法的な処罰は全て受けたわけだ。しかし、法的に処罰を受けたからといって、その罪が消えるわけではない。

事件関係者として大小の誤解を受けた人々を越え、数多くの被害者に拭えない傷を与えたという点は忘れても、忘れられてもならないだろう。

(記事提供=OSEN)

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