能登半島地震から7月1日で半年となりますが、県内にはいまだ壊れたままの道路や住宅が多く残されています。住民は思うように進まない復旧にもどかしさを感じています。
大きな隙間が空いた地盤に、道路にせり出した瓦礫。
(リポート)
「被害の大きかった新潟市西区に来ています。地震から半年経ったいまも道路は大きくひび割れ電柱は傾いたままです」
県内では住宅被害は計2万1236棟、人的被害は重傷と軽傷を合わせて50人となっています。(6月28日現在)
〈新潟市西区の住民〉
「まだ直っていないなと感じる。行政の方が事情があるのかすぐにはできないのかも分からないが1日も早く直ってもらいたい」
「本当に大変な(地震)だった。こっちはすごい道路(被害)が。(復旧は)俺が生きているうちはだめだろう」
新潟市では6月20日から公費による家屋の解体が始まり、6月末現在の申請は552件です。
市は1か月に50件の解体を目指していましたが、解体が完了したのは7件にとどまっています。
業者の人手不足などが理由だということです。
そして生活再建の“壁”となっているのが進まない道路の復旧です。
〈住民〉
「道路が決まらないといろいろと進まない部分はあるので早めにしていただければありがたいです」
液状化で隆起した道路の復旧後の高さが決まらないと、隣接する住宅の再建ができないというのです。
そこで新潟市は6月28日、復旧後の高さなどについて住民への説明を始めました。
〈自宅が大規模半壊 遠藤秀明さん〉
「ここの道路を直すんだけど、14~15センチ上がっていると。その説明を受けて、それを修繕しますと。半年経たないとこういう話にはならないのかなと思って」
自宅が大規模半壊の判定を受けた遠藤秀明さんです。
〈自宅が大規模半壊 遠藤秀明さん〉
「ここのドアがもう傾いて開かない。1月のうちはため息しか出ないんですよ。(妻と)2人で喋ってても、ちょっとすると『はー』とため息ばかり出るんだけど、あれから半年経って、現実を受け入れている」
家の中は床が変形したり傾いたりして住める状態ではなく、現在は、空き家となっていた妻の実家に身を寄せています。
このまま別の場所に引っ越すのか、復旧をして自宅に戻るのか…
妻とも意見が分かれ、見通しが立てられずにいました。
〈自宅が大規模半壊 遠藤秀明さん〉
「子どもは今、東京にいるが、戻ってくる場所があるとしたらここだろうということだと思う。ただ液状化する所に普通に建て替えたところで、また地震がくれば同じなので、それで決まらない」
新潟市は道路の復旧をことしの秋から始める予定です。少しずつではあっても復旧への歩みを進める被災地。
〈自宅が大規模半壊 遠藤秀明さん〉
「今まで通りの日常を取り返す、取り戻すというか。そういう方向にしていかなきゃなという気持ちではいます」
元日から避難を余儀なくされた地震から半年。多くの人が早い復旧を待ち望んでいます。