熊本市電 減便のダイヤ改正 利用者はどんな反応?

熊本市電では、先週土曜日29日に始まった減便のダイヤ改正、1日に初めての平日を迎えました。コロナ禍を除けば過去最大規模となった今回の減便、利用者はどんな反応を示したのでしょうか。

【健軍町電停 尾谷いずみアナウンサー リポート】
「午前7時半です。こちら健軍町電停は電車を待つ人の列が幾重にも連なっています」

健軍町電停は、以前からラッシュ時の『積み残し』が課題となっている電停です。

やってきた電車に人が乗り込んでも、列はなかなか解消しません。

今回の熊本市電のダイヤ改正、平日の運行本数は433本から369本へ15%減りました。

終電の時間は最大42分前倒しです。

ここ健軍町電停では、朝のラッシュ時午前8時半までの1時間に16本運行していたものが1日からは14本と2本減りました。

【市電を待つ利用者】
「混んじゃうので遅刻しそう」
「困る人が多いかな」

そもそもなぜ本数を減らすことにしたのでしょうか。

【熊本市交通局 運行管理課 松尾 達哉 課長】
「人員が足りていない状況のため、終電等も前倒しすることで乗務員の労働環境の改善を図り、併せて安全教育の強化をこれまで以上に図っていきたいと考えている」

熊本市交通局では、去年4月、101人いた乗務員が今年4月には83人に減少。

さらに車両の故障や、ドアが開いた状態での走行、赤信号での走行といった運行トラブルも相次いでいます。

市交通局は、減便によって乗務員の労働環境を改善し安全教育の強化に取り組むとしています。

【利用者】
「運転士が増えるような対策をとってもらわないと、相当無理がきているのではないか。運転士さんたちも」
「どれだけ雨が強くても台風の時でも走ってくれてありがたいと思っているので減便は仕方ないと思っている」
「最近、事故とか聞くので、事故が減ってくれるならいいなと思う」
「乗務員さんが不足しているのも分かるし、(車両)老朽化も耳にするので何らかの支援がないと市電だけの問題では解決するのは厳しいと思う」

市交通局は今年度、乗務員を10人採用したほか今年中には3両編成の車両2台を導入し運行を始める予定です。

【熊本市交通局 運行管理課 松尾 達哉 課長】
「今年度を乗り切れば、状況の改善というのを見込んでおりますので、しばらくの間ご理解いただければと思います」

状況が改善すれば来年4月にも増便のダイヤ改正を行いたいとしています。

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