富士山“大荒れ”の山開き 初日の登山者は1700人 強風で登頂断念する人も 山梨県

富士山は1日、山梨側の「吉田ルート」で山開きを迎え、登山規制と通行料の徴収を導入した初めての夏山シーズンが始まりました。

強風で登山を断念する人もいる中、初日の登山者は約1700人でした。

前日からの悪天候にも関わらず、5合目に設けられたゲート前には登山者が列をつくりスタッフが誘導に追われました。

富士山は前日からの雨と強風に見舞われ、ご来光を拝むことはかないませんでした。

また、風の影響で麓と5合目とを結ぶ富士スバルラインも一時通行止めになるなど、登山者にとっては大荒れの山開きとなりました。

登山者は

「頂上まで行こうと思っていたがこの風だと危ないので、御来光ではなくても周りを見たい気持ちはいつもある」

登山道の混雑や山小屋に宿泊せず夜通し登る「弾丸登山」防ごうと、県が初めて実施した登山規制では1日の登山者を最大4000人に設定。

5合目に設置したゲートを午後4時から午前3時まで閉鎖することにしたほか、インターネットを通じた富士登山の予約システムも導入されました。

登山者は通行料2000円を事前に支払うか現地で直接、支払うかして“通行証”代わりのリストバンドを受け取り、5合目のゲートを通って富士山頂を目指します。

1日午前3時、県はゲートを開けたものの、スタッフが登山者に対し一時的に登山を見合わせるよう指導する姿も。

実際に登山を断念する登山者もいました。

それでも、富士スバルラインの通行止めが解除されると、5合目のゲートには富士登山を待ちわびた大勢の登山客が訪れ、スタッフが誘導に追われました。

登山者は

「オーバーツーリズムの問題とかあったりすると思うので、ある程度人の集まる場所だけに、(登山規制や通行料などで)そこそこ敷居が高くてもいいんじゃないかと思います」

県富士山保全・観光エコ推進グループ 岩間勝宏さん

「すでにスタッフが受け付けなどを始めているが、この規制を始められてほっとしている。この規制が実効性のあるものになって、安全な登山が実現できればいい」

県によりますと、規制については大きなトラブルや混乱はなく順調に進んでいるといい、1日午後4時現在、1699人がゲートを通過し富士登山に向かったということです。

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