「日本人には無理」と戦う 田中希実と秦澄美鈴、いざパリ五輪へ 陸上代表の兵庫勢

パリ五輪での活躍を誓った(左から)福部真子、村竹ラシッド、田中希実、秦澄美鈴=新潟市(代表撮影)

 陸上の日本選手権でパリ五輪代表に決まった4選手が1日、新潟市内で記者会見に臨み、既に決定済みだった女子5000メートルに加えて1500メートルの出場権も手にした田中希実(ニューバランス、西脇工高出身)は「2種目で走れる幸せを感じる大会にしたい」と決意を語った。

 「2種目とも自分の力で勝ち取れた権利ということがうれしい」と語った田中。パリでの目標を問われると、世界のライバルとの「成長の差」を口にし、「私の歩みがカメのように(遅く)感じる。具体的な目標を口にするのが怖いレベル」と述べた。

 その上で掲げた数字は1500メートルで3分55秒以内、5000メートルでは14分20秒切り。「『日本人には無理』という声もあるかもしれないが、そこに向かって戦っていかないといけない」と表情を引き締めた。

 日本選手権の女子走り幅跳びで4連覇を果たし、初の五輪に挑む秦澄美鈴(住友電工、武庫川女大出身)も登壇。「集中して1本目から結果を出すのがテーマ。決勝に進出し、乗りに乗っていけたら」と思い描いた。五輪を前に20日の実業団・学生対抗に出場し、最終調整するという。(山本 晃)

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